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食品自販機は愛好家のいる昭和レトロからコロナ禍の新機種へ

壊されたレトロ自販機は代わりがない

赤木智弘 フリーライター

レトロ自販機の保守管理は非常に困難

suchada kupraditphanshutterstock拡大suchada kupraditphan/Shutterstock.com

 しかし時代も下り、国道沿いにコンビニエンスストアが建ち並ぶようになると、古ぼけたオートパーラーはどんどん廃れていった。そしてオートパーラー用に食品を提供していたメーカーも、次々と自販機事業から撤退していった。僕が好きだったハンバーガーを供給していた「マルシンマック」も、2002年頃に事業から撤退してしまったようである。

 最近まで冷凍食品のニチレイフーズが、アミューズメントパークやパーキングエリア、ホテルなどをターゲットに食品自販機を展開し続けていたが、撤退を決定し、商品供給も終了。現在ではそのほとんどが撤去され、今年秋のうちには全台撤去が完了するという。

 自販機を壊したカップルは「機械なんだから直せばいいじゃん」くらいに考えているのかも知れないが、レトロ自販機の保守管理は非常に困難となっている。すでに保守の部品も無く、自販機を収集している人たちが自分たちで修理したり、壊れた同系統の自販機から部品を取って保管したりすることで、なんとか稼働させているのである。

 商売としてはかなり厳しく、現状ではかつての雰囲気を好む愛好家たちが、採算度外視で古い自動販売機を生かし続けている。今回被害を受けたタイヤ販売店も、そうした店の1つである。

 もちろん、メーカーが保守管理している現行の自販機だから壊して良いという事ではないが、苦労してなんとかレトロ自販機を残しているという現状を知っているからこそ、今回の破壊行為に対する怒りを僕は強く感じるのである。

 僕自身もついTwitterに「お前らの代わりはいても、レトロ自販機に代わりはない」みたいなことをつぶやいて

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筆者

赤木智弘

赤木智弘(あかぎ・ともひろ) フリーライター

1975年生まれ。著書に『若者を見殺しにする国』『「当たり前」をひっぱたく 過ちを見過ごさないために』、共著書に『下流中年』など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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