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地震で停電した駅で「今なら痴漢できる」というサラリーマンがいる恐怖

赤木智弘 フリーライター

公共交通機関における男女の非対称性

首都圏の地震で電車が停まり、JR品川駅前でタクシーを待つ人たち=2021年10月7日、深夜0時55分拡大首都圏の地震で電車が停まり、JR品川駅前でタクシーを待つ人たち=2021年10月7日、深夜0時55分

 今回の地震は22時41分という、終電も近くなった夜に発生した。昼間であればしばらく外で時間を潰すことはできても、夜では駅構内、もしくは駅の周辺にいる以外にどうしようもない。そうした状況で「停電だから痴漢ができる」という声が聞こえる距離にいる女性は、痴漢される不安に震えるしかなくなってしまっただろう。

 実際、痴漢の中には電車が停まったり遅延したりした路線で、運転再開直後の、非常に混み合ったぎゅうぎゅう詰めの車両を狙う者がいる。実際僕も、とんでもなく混み合った車両に何度か乗ったことがあるが、もう自分が触られていてもそれが誰かが分からない。仮に分かって文句を言ったところで「混み合ってるんだから仕方ないだろ!」と言われてしまえば終わりだ。これが痴漢だったとしたら、女性はほぼ泣き寝入りになってしまう。

 また、帰宅困難な女性を狙ってのナンパも発生していたと考えられる。こちらは決して犯罪ではないが、ただでさえ電車が動かなくて困っているときに、ナンパ師が身体目当てで寄ってくるのはウザくて仕方がないだろう。しつこい男はもちろん、中には断ると腹いせに暴言を吐く輩もいる。

 これも普段であれば、無視して歩き去ってしまえば良いが、タクシー待ちの列などでナンパされれば、その場を動けない。だから、暴言や暴力に至るかも知れない恐怖の中で、男が根負けするまで断ったり無視し続けなければならない。

 では、なんとかタクシーに乗れたとして女性はホッと一息付けるだろうか?

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筆者

赤木智弘

赤木智弘(あかぎ・ともひろ) フリーライター

1975年生まれ。著書に『若者を見殺しにする国』『「当たり前」をひっぱたく 過ちを見過ごさないために』、共著書に『下流中年』など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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