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【52】くらしと産業に不可欠な「水」の複雑な仕組み

耐震安全性を総合的に考えたい

福和伸夫 名古屋大学減災連携研究センター教授

川から引かれる「三種類」の水

 水の主な供給源である河川の管理は、国土交通省が所管している。

 川の水は、用水路や導水管を通って浄水場に導かれ、配水池を介して、必要なところに供給される。ダムに貯めた水の利用には国土交通省や水資源機構などが関わっている。

 日本の水は、用途によって異なるルートで供給されている。所管する役所や管理組織はそれぞれ異なり、入り組んでいる。そのため、全体像を把握するのが難しい。

 以下、簡単に整理していこう。

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筆者

福和伸夫

福和伸夫(ふくわ・のぶお) 名古屋大学減災連携研究センター教授

1957年に名古屋に生まれ、81年に名古屋大学大学院を修了した後、10年間、民間建設会社にて耐震研究に従事、その後、名古屋大学に異動し、工学部助教授、同先端技術共同研究センター教授、環境学研究科教授を経て、2012年より現職。建築耐震工学や地震工学に関する教育・研究の傍ら、減災活動を実践している。とくに、南海トラフ地震などの巨大災害の軽減のため、地域の産・官・学・民がホンキになり、その総力を結集することで災害を克服するよう、減災連携研究センターの設立、減災館の建設、あいち・なごや強靭化共創センターの創設などに力を注いでいる。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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