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Jリーグ熾烈な昇・降格争い―コロナ禍で大混戦、壮絶な残り試合

昨年消えかけた熱い空気がスタジアムに流れている

増島みどり スポーツライター

拡大ジュビロ磐田は磐田市の提案を受け、6月から市と協働で「ふるさと納税型クラウドファンディング “心ひとつに ジュビロと共に”」を実施。コロナ禍の厳しい状況下にJ1昇格で市民に元気を与えようと、支援金をチーム強化に充ててJ1早期復帰を目指してきた=ジュビロ磐田提供

監督不在の緊急事態!名門・磐田が3季ぶりJ1復帰

 14日に水戸のホームスタジアム「Ksスタ」で行われたJ2第39節、ジュビロ磐田は引き分け以上で来季J1への昇格を決められる大一番に臨んでいたが、鈴木政一監督(66)の姿はベンチになかった。

 リーグ戦の勢いそのままに、磐田は15分まで早くも水戸から2点を奪う。後半もダメを押す3点目を、J2リーグ得点ランキングトップ(22点)のエース・ルキアンが決め、3試合を残して昇格一番乗りを果たした。

 J2で上位を狙うクラブは、過酷な夏場の連戦を終えると、疲労やケガ人が増えるために大事な終盤に入って足踏みをするものだ。しかし磐田は、水戸戦の勝利によって、引き分けを挟んで終盤戦16戦負けなし、直近4連勝と、足踏みどころか加速してフィニッシュする圧倒的な底力をも見せた。

拡大J1昇格を決め、サポーターとともに喜ぶジュビロ磐田の選手たち=2021年11月14日、水戸市のケーズデンキスタジアム水戸

3戦残すスピード決定 過酷なシーズン乗り切った勝負強さ

 昨年途中から指揮を執り、これほどの勝負強さを6位だった選手たちに植え付けた鈴木監督は、10月下旬から体調不良で検査入院し、昇格決定の前日には無事に退院はしたが異例の事態だった。

 代行を務めた服部年宏HC(48)が試合後漏らした言葉に、昇格の喜びの裏に、監督のストレスや健康を害するほどの重圧といった厳しさが表れていた。選手、指導者として3度の昇格を経験して来た服部HCは、昇格の喜び以上に「とにかくホッとした」と、大きくため息を付き「(鈴木)監督を、一日でも早く楽にしてあげたかった」と、さらに安堵した表情を見せた。

 鈴木監督は2000年代前半には、服部HCや名波浩(現松本監督)ら逸材を率いて、Jリーグにジュビロ時代を築く。昨年10月、J2で苦しむ名門復帰を託されてJ2の監督としては最年長の65歳で現場に(J1ではネルシーニョ監督が71歳)。服部HC、選手、スタッフ全員が「1試合でも早く昇格し、監督に安心して静養して欲しい」と、3試合を残すスピード決定の動機を口にするほど過酷なシーズンだったことが伺える。

京都は12年ぶりのJ1復帰に王手

 自動昇格圏の2位につける京都も昇格に王手をかけており、2010年以来、実に12年ぶりとなるJ1復帰が目前となっている。

拡大秋田戦に勝ちJ1昇格に王手をかけた京都。立ち上がった喜ぶサポーターら=2021年11月14日、京都府亀岡市

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筆者

増島みどり

増島みどり(ますじま・みどり) スポーツライター

1961年生まれ。学習院大卒。84年、日刊スポーツ新聞に入社、アマチュアスポーツ、プロ野球・巨人、サッカーなどを担当し、97年からフリー。88年のソウルを皮切りに夏季、冬季の五輪やサッカーW杯、各競技の世界選手権を現地で取材。98年W杯フランス大会に出場した代表選手のインタビューをまとめた『6月の軌跡』(ミズノスポーツライター賞)、中田英寿のドキュメント『In his Times』、近著の『ゆだねて束ねる――ザッケローニの仕事』など著書多数。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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