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10万円給付の酷さ。コロナ禍前から本当に困窮している人たちにお金を流せ

赤木智弘 フリーライター

コロナ前から困っている人が突き放される

生活困窮者の支援団体「TENOHASI」の炊き出し=2021年9月25日、東京都豊島区の東池袋中央公園拡大生活困窮者の支援団体「TENOHASI」の炊き出し=2021年9月25日、東京都豊島区の東池袋中央公園

 確実に困っているのは、アルバイトや派遣などで、なんとか生計を立てている年収100〜300万円台の現役世代である。

 実家暮らしならまだ良いが、家賃を払いながら1人で生活をしている人などは、本当に困り果てている。にもかかわらず、100万円以上の収入があるから、10万円の給付を受け取れないのである。

 コロナ禍の経済政策で、年収100〜300万円台の現役世代というのは、まともな支援も無く、ただひたすらに無視されてきたと言っていい。

 例えば現在、国民健康保険の「新型コロナ感染症の影響による収入減少に伴う保険料の減免制度」が実施されている。

 コロナ禍で生活が苦しいときに、毎月の国保料を減免してもらえるのなら、ありがたいことである。

 しかしこの条件の中には「昨年の収入実績より30%以上減少する」というものがある。このため、前年の合計所得金額に制限があるとはいえ、年収1000万円の人が700万円に減ったら減免を受けられるが、年収200万円の人は140万円まで減らないと減免を得られないのである。

 年収1000万円であれば、貯金を切り崩すなどでやりくりすることも可能かもしれない。だが、収入200万円の人はすでに生活費ギリギリの状態で生活しているのであり、そこから年収が60万円も減ったら生活が破綻してしまう。

 だから年収200万円の人は、収入が減りそうになったら、バイトの時間を増やすなど収入を減らさないようにいろいろな手段を尽くして、努力して収入を保っているのである。

 ところがそうして自分の生活を必死で守ったその結果が、行政からの「アンタ、収入減ってないから困ってないでしょ認定」なのだから、まったくふざけた話である。

 なぜ収入が減っても大丈夫な余裕のある人に給付や減免といった優遇がされるのか。収入が減らせない人の方が大変に決まっているだろう。

 収入を30%も減らせる人は、本当に困っている人なのだろうか。困っていないことはないだろうが、それよりももっと困っているのは30%も収入を減らせない人たちなのだから、優遇の順序がおかしいとしか言いようがない。

 確かに、あくまでもこうした給付や減免措置は「コロナ禍で収入が減った人向け」なのだから、減ってない人が受け取れないのは当たり前と思う人もいるかも知れない。

 しかし、こうした給付や減免は

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筆者

赤木智弘

赤木智弘(あかぎ・ともひろ) フリーライター

1975年生まれ。著書に『若者を見殺しにする国』『「当たり前」をひっぱたく 過ちを見過ごさないために』、共著書に『下流中年』など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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