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「前科者は送還してしまえば良い」という政策は政府の方針にも反します

入管庁資料「現行入管法上の問題点」の問題点

児玉晃一 弁護士

犯罪防止のための国際協力~京都宣言で述べられていること

 2021年3月に京都で行われた第14回国連犯罪防止刑事司法会議(京都コングレス)で採択された京都宣言では、次のとおり述べられています。

5  我々は,刑事分野における国際協力を促進し,強化することにより,犯罪を防止し,これと闘うための地球規模の協調的な取組を強化することを行う。

38  社会及び個人の保護の必要性や被害者及び加害者の権利に十分に配慮した上で,地域コミュニティの積極的な参加を得て,加害者の社会復帰を促進するためにコミュニティに おける更生環境を推進する。

 とあります。

 また、政府が公表している令和2年版再犯防止推進白書(概要)でも「『京都宣言』の交渉過程において、『誰一人取り残さない社会』の理念を背景に、国際社会において再犯防止を推進すべきとの合意が形成」されたとあります。

 つまり、

・犯罪防止のためには社会内の環境を整えるのが重要(宣言38)


・犯罪防止のためには国際協力の促進が重要(宣言5、再犯防止推進白書)

 というのですから、刑務所から出た外国人についても、「仕事」「住居」を中心とした社会内環境を整えるべく、国際協力をするのが重要ということになります。

 ですから、「前科者は本国に送還してしまえ、後のことは知らん。」という態度は、京都宣言に反し、京都コングレスのホスト国としては大変恥ずかしいものといえます。

 もっといえば、出入国在留管理庁は、以下の憲法前文を

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筆者

児玉晃一

児玉晃一(こだま・こういち) 弁護士

1966年生まれ。早稲田大学卒業。1994年弁護士登録。2009年からマイルストーン総合法律事務所(渋谷区代々木上原所在)代表弁護士。1995年から入管収容問題、難民問題に取り組む。移民政策学会元共同代表、元事務局長。2014年からは”全件収容主義と闘う弁護士の会 「ハマースミスの誓い」”代表。2021年春の通常国会衆議院法務委員会では改定入管法に反対の立場で参考人として意見を述べた。著書・論文に『難民判例集』(2004年 現代人文社)、『「全件収容主義」は誤りである』(2009年 『移民政策研究』創刊号)、「恣意的拘禁と入管収容」(法学セミナー 2020年2月号 2020 日本評論社)などがある。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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