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敗北から何も学びとらないことは、大いなる恥辱

[1月15日~1月21日]東大前事件、宮内鎮雄さん、CLP、枚方市保健所……

金平茂紀 TBS報道局記者、キャスター、ディレクター

河瀨直美監督はテレビのリポーターみたいだった

1月16日(日) 朝、テレビをみていると、気象庁の担当官が未明の記者会見で「津波かどうか、わからない」と真正直に告白していた。まあ、学問的にはその通りなのだろうが、これでは視聴者は混乱したかもしれない。なぜならば、津波警報や津波注意報がその気象庁から発令済みで、かつ、潮位の高まった波がすでに到達していたのだから。

NHK 1月16日の朝のNHK放送より拡大1月16日の朝のNHK放送より=撮影・筆者

 寝不足のまま、朝、プールへ行き泳ぐ。13時に荻窪駅に着く。歩いて数分のガード下にある葬儀場の一室に、宮内さんの亡骸はぽつんと安置されていた。宮内さんのお顔は本当に眠っているようだった。無精ひげが少し伸びていたが、ひどくやせ細っていたわけでもない。苦しみの表情がなかったことが救いだ。アナウンス室の後輩たちがすでに何人か訪れていたことが記帳からわかった。

 しばらくするとTBSラジオ時代の職場のお仲間らしい方々が何人かやって来た。旧知の宇野淑子大先輩もいらした。さびしくてたまらず、宇野さんをお誘いして、駅ビルのなかの寿司店で献杯した。宇野さんの(かなり)後輩の外山恵理さんがその後、短時間だが姿をみせた。本当にさびしい。最後の最後まで、宮内さんは本当に宮内さんらしかった。

宮内さんの亡骸と対面した葬祭式場拡大宮内さんの亡骸と対面した葬祭式場=撮影・筆者

 宮内さんの最後の姿を思い浮かべながら、献本として届いていた写真集『Stuttgart』(bookshop M)をみる。笠井爾示(ちかし)さんの写真集。とても衝撃的だった。大平一枝さんというひとの解説文もとてもよかった。何しろ造本の具合がいい。こういう写真集をつくるひとがいるんだ。それだけでも嬉しくなってしまう。

笠井爾示の写真集『Stuttgart』近影拡大笠井爾示の写真集『Stuttgart』(bookshop M)=撮影・筆者

 その後、CLP(Choose Life Project)の件で何人かと電話で話をする。滅入る。

1月17日(月) 朝、郵便局に行って雑件を処理していたら、そこへ電話が入った。Kからだった。そうだ、今日はあの阪神淡路大震災から27年目の日なのだった。

 例の東大近くで起きた事件。その高校2年生は、名古屋の有名進学校に通っていて、将来医者になるため東大理3をめざしていたが、成績がのびず、おかしくなっていたという。何だかなあ。

 午後、早稲田の授業。講義とゼミ。講義は衆議院選挙報道をめぐって。ゼミはNHK・BSの『河瀨直美が見つめた東京五輪』について

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筆者

金平茂紀

金平茂紀(かねひら・しげのり) TBS報道局記者、キャスター、ディレクター

TBS報道局記者・キャスター・ディレクター。1953年、北海道生まれ。東京大学文学部卒。1977年、TBSに入社、報道局社会部記者を経て、モスクワ支局長、「筑紫哲也NEWS23」担当デスク、ワシントン支局長、報道局長、アメリカ総局長、コロンビア大学客員研究員などを経て、2010年より「報道特集」キャスター。2004年、ボーン・上田記念国際記者賞受賞。著書に『沖縄ワジワジー通信』(七つ森書館)、『抗うニュースキャスター』(かもがわ出版)、『漂流キャスター日誌』(七つ森書館)、『筑紫哲也『NEWS23』とその時代』(講談社)など多数。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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