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「平昌超え」狙う日本選手団――北京五輪が2月4日開幕

ゼロコロナ政策と外交的ボイコットを抱え、北京は夏冬五輪を開催する初の都市に

増島みどり スポーツライター

拡大北京で金メダルが期待される平野歩夢。東京五輪のスケートボード挑戦を終え半年足らずの1月にスノーボードのW杯で4季ぶりに優勝した。写真は昨年12月の米コロラドの大会での演技

平野歩夢が一度も「金メダル」と言わなかった理由

 渡部と同じにソチ、平昌で2大会連続銀メダルを獲得したスノーボード、ハーフパイプの平野歩夢(23=TOKIOインカラミ)は、合宿先のアメリカからオンライン会見に出席した。

 冒頭、取材する記者団を代表した質問者が、社名と名前を伝えて挨拶をすると、「はい、平野歩夢です」と会釈し丁寧に返したシーンがあった。落ち着いた様子に、自信、余裕が漂うように見えた。

 半年前、21年東京五輪ではスケートボードとの「二刀流」に挑戦(14位)。日本では、橋本聖子、関ナツエ、大菅小百合=以上スピードスケートと自転車=、男子は青戸慎司=陸上短距離とボブスレー=に次いで、史上5人目の夏冬五輪出場を果たした。

 金メダル、と何度も口にした渡部と違い、平野は会見中、何度質問を受けても「金メダル」と言わなかったのが印象的だった。

拡大北京五輪会場の一つ雲頂スノーパーク。右がスノーボードのスロープスタイル、左がハーフパイプ用ゲレンデ=2022年1月15日

「自分にしかない表現を見せられたら」

 「この4年間通して、自分が調整してきたことを、全て出し切った上で、自分にしかない表現を見せられたらと思っている。それがいい結果につながればなと思う」

 自分にしかない表現、とは、現時点では平野だけが試合で成功させている高難度の技、「トリプルコーク1440」(斜め軸に縦3回横4回転)を指すのか、それとも、夏冬出場をわずか半年で実現させたキャリアなのか、会見だけでは分からない。ただ「自分にしかない表現」とは、芸術家のような言葉の選び方で、「NO1」は当然ながら、そこへのアプローチもまた「オンリー1」であろうとする挑戦心の表れなのだろうか。

「五輪はスノーボードの枠とはまた別の種類。影響力の大きな舞台」

拡大平昌五輪のスノーボード・男子ハーフパイプで優勝したショーン・ホワイト(右)と健闘をたたえ合う平野歩夢=2018年2月14日
 平昌では、世界的なスター、ショーン・ホワイト(米国)との伝説的な激闘を繰り広げた。彼等の主戦場となる競技会は多くあるが、「五輪は限られた人達しか出られない、スノーボードという枠とはまた別の種類なのかと思っている。4年に一度という特別な期間の中で、選ばれた人達だけの真剣勝負。スノーボードにとって影響力の大きな舞台」と、五輪の価値を明確に話す。

 「(今大会で引退を表明したショーンホワイトと)またあの舞台でやり合えるのは楽しみ」と、最高峰での戦いを「やり合う」と独特な感性で表現した。

拡大五輪関係者と外部との接触を断つ「バブル」の外から写真を撮る人たち=2022年1月24日、北京市内

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筆者

増島みどり

増島みどり(ますじま・みどり) スポーツライター

1961年生まれ。学習院大卒。84年、日刊スポーツ新聞に入社、アマチュアスポーツ、プロ野球・巨人、サッカーなどを担当し、97年からフリー。88年のソウルを皮切りに夏季、冬季の五輪やサッカーW杯、各競技の世界選手権を現地で取材。98年W杯フランス大会に出場した代表選手のインタビューをまとめた『6月の軌跡』(ミズノスポーツライター賞)、中田英寿のドキュメント『In his Times』、近著の『ゆだねて束ねる――ザッケローニの仕事』など著書多数。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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