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ふじみ野の医師殺害事件、容疑者にとって母親の死は「世界の終わり」だった

赤木智弘 フリーライター

母親は息子の行動をどう感じていたのだろうか

 医療従事者に対する暴言などはよく聞く話である。ただそれは看護師や病院職員に対するものであり、医師が暴言や暴力を受けるという印象は薄い。

 そもそも、医者は自分や家族に対して医療を行う立場にあり、暴言を吐いて医者に恨まれても良いことはないと普通であれば考えるからだろう。

 だからこの容疑者も「アイツよりは俺の方が立場が上だから、威張って当然」という理由で暴言を吐いていたのではないのかもしれない。

 もちろん病気を告知されたショックや、なかなか治らないイライラを募らせて、ついきつい言葉であたるような人は少なくないだろう。しかしそれならば一時的なものだ。今回の容疑者は様々な場所で暴言などを繰り返していたのだ。

 こうした人たちやその家族をも診察しなければならない医療関係者の苦労は察するにあまりある。

Toa55shutterstock拡大Toa55/Shutterstock.com

 ふと思ったのだが、母親は息子の行動をどのように感じていたのだろうか。

 容疑者は車椅子に母親を乗せて、病院で「母親を先に診ろ!」といった勝手な要求を繰り返していたという。また自分で求めた薬の処方を医師にたしなめられると激高していたようである。

 車椅子に座り続けるしかない母親にとって、そんな光景はどのように見えていたのだろうか。

 「私のために

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筆者

赤木智弘

赤木智弘(あかぎ・ともひろ) フリーライター

1975年生まれ。著書に『若者を見殺しにする国』『「当たり前」をひっぱたく 過ちを見過ごさないために』、共著書に『下流中年』など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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