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アイスホッケー「スマイルジャパン」の五輪快進撃が女子競技にもたらすインパクト

「なでしこ」から始まった熱いバトンのリレー/注目集め支援拡大、強化環境も向上

増島みどり スポーツライター

拡大北京五輪1次リーグのデンマーク戦で決まった床亜矢可のゴール=2022年2月5日

なでしこ・スマイル・アカツキ5――広がるポジティブな効果

 スマイルの快進撃は、日本の女子スポーツ全体にとってもポジティブなものだ。

 「なでしこ」は、こうした愛称が女子チーム競技にとって選手のモチベーションでも、注目度でも、マーケティングでも効果をもたらす実証事例となった。11年、東日本大震災で東北が甚大な被害に見舞われる状況下で果たした優勝後、国民栄誉賞も受賞し、当時、CM総合研究所などが試算した経済波及効果は実に1兆円に上るとも指摘された。

 未知だった女子チームの潜在能力が示された効果によって、多くの女子チーム競技の強化、環境整備にも変化が生れる。

拡大東京五輪で銀メダルを獲得し、喜ぶバスケットボール女子日本代表の選手たち=2021年8月8日、さいたまスーパーアリーナ
 昨夏の東京五輪では、女子バスケットボールの女子代表「AKATSUKI FIVE」(アカツキファイブ=男女とも同名)が、絶対的な女王、アメリカに堂々立ち向かい銀メダルを獲得。高い関心を集めた熱気のまま、9月にはFIBA女子アジアカップで史上初の5連覇を達成し、昨年10月、最高の流れで女子の国内リーグ「Wリーグ」が開幕した。

拡大バスケットボール女子日本リーグの公式スポンサーやパートナーの企業=WJBL公式サイトから
 10月22、23日に東京大田区で行われた「羽田ヴィッキーズ」対「富士通レッドウェーブ」の一戦は、2日間ともチケットが完売し、リーグスポンサーも増えた。日本バスケットボール協会・三屋裕子会長(63)は「この結果を協会がどうつなぐか、私たちの真価も問われると、改めて身を引き締めたい。ものすごく熱いバトンをもらった」と、将来を見据える。

ひたむきさに好感、スマイル活躍でサーバーダウンも

 女子のチーム競技をスポンサードする価値について、メーカーの担当者は「日本の女性チームのひたむきさは、スポーツを普段あまり観ない方々にも分かりやすく魅力を伝えてくれる」と指摘する。例えば男子のユニホームが結果と連動して売り上げが伸びるのに対し、女子は爆発的ではないものの、チーム全体に対する良いイメージが浸透している分、「じわりと販売率が伸びる特徴がある」と分析する。

拡大練習前のリンクで記念撮影するスマイルジャパンの選手たち=2022年2月1日
 スマイルは、スウェーデンに勝利後、デンマークを下し、アメリカ、カナダから国籍変更をした選手10人を擁する中国には1-1からサドンデスの延長戦となり、ペナルティーショット・シュートアウトの末敗退。しかし、延長戦で与えられる勝ち点1を獲得し、五輪で初の決勝トーナメント進出を果たすと、早速、その波及効果が表れたようだ。

拡大日本アイスホッケー連盟のサーバーダウンについてのお詫び画面
 日本アイスホッケー連盟の公式ホームページが、急激なアクセス集中で一時ダウンしたという。連盟は、「国内だけでなく北米など海外からのアクセスが大幅に増えたため、サーバーがダウンするに至ったとのことです」と「お詫び」を掲載し、情報発信をツイッターに変更するなど、嬉しい悲鳴をあげる。

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筆者

増島みどり

増島みどり(ますじま・みどり) スポーツライター

1961年生まれ。学習院大卒。84年、日刊スポーツ新聞に入社、アマチュアスポーツ、プロ野球・巨人、サッカーなどを担当し、97年からフリー。88年のソウルを皮切りに夏季、冬季の五輪やサッカーW杯、各競技の世界選手権を現地で取材。98年W杯フランス大会に出場した代表選手のインタビューをまとめた『6月の軌跡』(ミズノスポーツライター賞)、中田英寿のドキュメント『In his Times』、近著の『ゆだねて束ねる――ザッケローニの仕事』など著書多数。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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