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ふじみ野・医師殺害事件と訪問診療の暴力(上)──三木明子教授に聞く

「医療者たちの自己犠牲で成り立つ現場ではいけないのです」

鈴木理香子 フリーライター

リスク回避より問題の早期解決を選んだ

自宅療養中の患者宅を訪ね、声をかける看護師(写真の背景にぼかしを入れています)=訪問看護リハビリステーション・ハピネス提供拡大コロナ感染で自宅療養中の患者宅を訪ねた看護師(背景にぼかしを入れています)=訪問看護リハビリステーション・ハピネス提供

 今回の事件に限らず、悪質クレーマーはどこにでもいる。病院の受付で怒鳴り散らす患者や家族を見たことがある人もいるだろう。だが、患者や家族にとって病院・診療所はあくまでも「アウェー」であり、多くの「目」があるなかである程度の制御は働く。だが、患者や家族にとって自宅は「ホーム」であり、守られた空間だ。怒りや悲しみといった感情を制御しにくいという面もある。

 そのため、自宅を訪問する医療者はある程度のリスク回避策を行っている。

 「今回のケースでみると、容疑者の男性から電話があったものの不審に思ったので、訪問しなかった事業所もありました。これはリスクマネジメントの視点からすれば、通常の判断だと思います。ただし、これは被害を受けた医師や医療関係者を非難しているわけではありません。そうやって無理をしてまで行かなければならない背景も考えなければならないのです」

 その背景を推し量る三木教授は、「最後の砦」という言葉を使ってこう説明する。

 「容疑者の男性は過去にもさまざまな医療、介護現場で問題を起こしていたと報じられています。

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筆者

鈴木理香子

鈴木理香子(すずき・りかこ) フリーライター

TVの番組製作会社勤務などを経て、フリーに。現在は、看護師向けの専門雑誌や企業の健康・医療情報サイトなどを中心に、健康・医療・福祉にかかわる記事を執筆

※プロフィールは、論座に執筆した当時のものです