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走った、走った、伊丹空港を走った

[2月5日~2月11日]駐日ウクライナ大使、吉村大阪府知事、座・高円寺……

金平茂紀 TBS報道局記者、キャスター、ディレクター

2月5日(土) 『報道特集』の生放送。ワクチン接種の3回目がなぜにここまで進んでいないのか。抗原検査キットが入手困難になっているのか。遅すぎる、手遅れに近いコロナ感染対策。Too late。

 それで、大好きな歌手キャロル・キングの70年代の名曲「It's Too Late」に触れて、番組冒頭の挨拶で遅すぎるコロナ対策を批判したつもりだったが、あはは、番組スタッフのほとんどが、キャロル・キングも「It's Too Late」も知らないのであった。そうだよなあ、言われてみれば。もう50年以上も前の曲だもの。日下部正樹キャスターはもちろん知っていたが、若い皆川玲奈さんらが知っているはずもない。大体、生まれてないじゃないの。まあ、いいや。

キャロル・キングの公式ホームページよりキャロル・キングの公式ホームページより
Blueee77shutterstock “It's Too Late”が収録されたキャロル・キングのアルバム『つづれおり』(1971)  Blueee77/Shutterstock.com

 後半の特集は、東日本大震災後に、東北地方の海岸線につくられた高く大きな防潮堤をめぐっての検証。 tbc東北放送の実にきっちりした取材だった。とても考えさせられた。防潮堤は誰のため、何のためのものなんだろうか? 

 コロナ陽性の自宅療養を終えた膳場貴子さんは、スタジオからではなく報道カメラからの生出演。このテレビ局の管理職たちがピリピリしている。2週間前に放送したアサリの産地偽装問題が、他メディアも追いかけることになってザワザワしてきている。『クレスコ』の原稿を書いて送る。新宿。

2月6日(日) 朝、がんばってプールへ向かう。がっつり泳ぐ。日曜日の朝にびしばし泳いでいる人は、僕が通っているスポーツクラブでは年配者が多い。講談社、富山、早稲田。もろもろの用件処理で、あっという間に時間が過ぎてしまった。本を読まなきゃ。読みたい本がたまってくると、それらの本からの圧力みたいなものを感じるのだ。せっかく、あんたのそばにいるのに、なんで読んでくれないのよ、って。

高梨沙羅選手の「規定違反」、抜き打ち検査の嫌な後味

2月7日(月) 沖縄のコザで起きた警察署包囲事件について、地元のジャーナリストに電話で話を聞く。現場で取材をきちんとしていたかどうかで、ずいぶんと報じられる内容に違いが出ていることがわかった。午後、川崎市へ。今日は一日からだを休めるべし。左腕がちょっと重い。

 北京オリンピックの生中継番組の音声を横耳で聴いていたら、スキー・ジャンプの混合団体に出ていた高梨沙羅選手が1本目のジャンプを103メートルという好成績で飛んだ。ところがジャンプ直後に抜き打ち検査が行われて、突如「スーツの規定違反で失格」となったというのだ。ええっ? 中継のアナウンサーも何が起きたのか混乱している様子だった。スーツの規定違反って、一体何なんだ? わけがわからないまま、競技は続行されていた。実に後味が悪い。高梨選手は大丈夫なのだろうか。

2月8日(火) 『報道特集』の定例会議をオンラインで。その後、たまっている用件にとにかく手をつける。きのうの高梨選手の失格問題が波紋を呼んでいる。多くのテレビは、その後の日本選手たちの頑張りを詳報して、高梨選手の失格を必死にリカバーした奮闘ぶりを賞賛していた。特に、男子ジャンパーの小林陵侑選手の気遣い、寄り添いの姿勢のクールさを絶賛していた。

ジャンプ混合団体、2本目のジャンプ後、肩を落とす高梨沙羅の方へ向かい、励ます小林陵侑(中央右)=2022年2月7日ジャンプ混合団体の2本目のジャンプ後、高梨沙羅を励ます小林陵侑=2022年2月7日

 個人的には、抜き打ち検査実施の不公平さがとても嫌な後味を残す。この問題は相当に根が深いと思う。合格/失格を摘発する論理の根拠とは一体何なのか。不正を防ぐのであれば、

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