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ウクライナより愛をこめて① 陸路で国境を越えた

[2月19日~2月25日]福島市、イスタンブール~ブカレスト~ウクライナ

金平茂紀 TBS報道局記者、キャスター、ディレクター

羽田発イスタンブール経由でキエフへ……

2月21日(月) 朝10時東京発の新幹線で福島県内へと向かう。その都市は雪こそ降っていなかったがかなり寒かった。新幹線の駅の改札口でメンバーが合流して、撮影地点へと向かう。ところがこの日はとびきり冷え込んでいて、時折雪もちらつく。まいった。

 対東京電力・こども甲状腺がん訴訟の原告の方の生まれ故郷に来て、生まれ育った環境のなかでお話をお聞きした。撮影箇所は2カ所にとどめたが、移動先の福島市内は雪が本格的に降り続いていた。彼女の語る事実の重みにこころが動揺した。そのまま尊敬している元福島県知事・佐藤栄佐久さんとコンタクト。Nディレクターらは早めに帰京する。

2月22日(火) 今日もこの都市はかなり冷え込んでいる。朝『報道特集』の定例会議オンライン参加。少しばかり体を動かしてから東京に戻る。ベラルーシの件でT氏。毎日新聞のコラム原稿。

 ウクライナ情勢がきな臭くなってきた。かなりヤバい。これはウクライナ東部に行くことを考えねばならない。8年前もあの地域の取材に行った身としてはなおさらだ。局にあがって打ち合わせ。ウクライナ情勢をめぐってすみやかな、かつ総合的な判断が必要な局面。

 結局、Kディレクター、Iカメラマンらと一緒にウクライナ入りすることが決定。何と明日の夜、羽田を発つ。キエフへの便を飛ばしているのはトルコ航空。うまく行けば、最短で現地時間の24日朝にはキエフ空港に到着できる。Kディレクターは何と今日は泊まり勤務だという。ええっ? 航空券の予約やワクチン接種証明書などすべての入国手続きをKに一任しているので。

 急いで帰宅して、とりあえずの準備。これまでの戦地を含む海外取材の教訓から、荷物は少ない方がいいのだが、スーツケースだけは大きめのにする。気候は日本とそんなに変わらないだろう。

2月23日(水) 朝早く目が覚め、パッキング終了。午前10時から、メディア学会の部会の沖縄報道をめぐる連続勉強会の打ち合わせ。ここのメンバーの人たちは皆ヤル気があって実務的でとても気持ちがいい。

 14時、以前から楽しみにしていた『ラビット・ホール』。翻訳劇にともなう限界がいくぶん感じられたが、見てよかった。

羽田空港国際線ターミナルにて 筆者撮影 乗客はさすがに少なかった拡大羽田空港国際線ターミナルにて。乗客はさすがに少なかった=撮影・筆者
 そのまま、局に行って、最終的な準備を整えて、羽田空港へ。今、キエフに飛行機を飛ばしている民間航空はトルコ航空くらいなもので、日本からだとトルコ航空でイスタンブール経由が唯一の選択肢だ。

 19時30分にK、I、Tと合流。何とTは僕が教えている早稲田大学で修士論文の口頭試問を担当したTだった。驚き。まさか自分の教え子世代と今のウクライナに行くことになろうとは。羽田の国際線は、空港の店舗もほとんど閉まっていて、謝礼のお土産品を買うどころではなかった。

 22時30分に羽田を離陸。トルコ航空はさすがにがらがらに空いていて、エコノミークラスで3席を使って横になって寝ていくことができた。いつもは国際線に乗ると映画をみてしまうのだが、明日のキエフ入りを考えて、ここは眠っておかなければならない。

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筆者

金平茂紀

金平茂紀(かねひら・しげのり) TBS報道局記者、キャスター、ディレクター

TBS報道局記者・キャスター・ディレクター。1953年、北海道生まれ。東京大学文学部卒。1977年、TBSに入社、報道局社会部記者を経て、モスクワ支局長、「筑紫哲也NEWS23」担当デスク、ワシントン支局長、報道局長、アメリカ総局長、コロンビア大学客員研究員などを経て、2010年より「報道特集」キャスター。2004年、ボーン・上田記念国際記者賞受賞。著書に『沖縄ワジワジー通信』(七つ森書館)、『抗うニュースキャスター』(かもがわ出版)、『漂流キャスター日誌』(七つ森書館)、『筑紫哲也『NEWS23』とその時代』(講談社)など多数。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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