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アプリで追い詰めるデートDV──相手を縛り付けてしまえる時代に

赤木智弘 フリーライター

お互いの「信頼や愛情の証」?

みなとみらい駅や日本大通り駅で掲出中のデジタルサイネージ。文言とデザインは大学生ボランティアが発案した=2021年11月10日午後3時23分、横浜市中区拡大デートDV防止を啓発するデジタルサイネージ=2021年11月、横浜市中区

 厄介なのは、こうしたアプリのインストールはお互いが「信頼や愛情の証」であると認識しがちな点である。

 「恋人同士だから、お互いに隠し事はなしね」とか「僕は君のことをずっと見守っているよ」と言葉で言うだけなら微笑ましい。昔ならそうした心意気を示すだけの穏当な言葉だったのだろう。

 しかし文明の利器であるスマホやGPSというテクノロジーが介在することで、「隠し事が不可能」「24時間365日見守り可能」な状態を誰もがとても簡単に作ってしまえる時代となったのである。

 浮気調査のような目的で、こっそり相手のスマホにこうしたアプリをインストールして監視をすれば、刑法168条の2「不正指令電磁的記録作成等」の罪に問われる可能性がある。しかし「信頼や愛情の証」として合意の上でアプリをインストールすれば、24時間365日監視されても、法的には問題がない。

 最初のうちこそ「大事にされている」「見守られている」と思っていても、それが徐々に重荷になり、実は本当に信頼されていないだけだったり、実は監視されているだけだったことにようやく気づくということになりかねないのである。

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筆者

赤木智弘

赤木智弘(あかぎ・ともひろ) フリーライター

1975年生まれ。著書に『若者を見殺しにする国』『「当たり前」をひっぱたく 過ちを見過ごさないために』、共著書に『下流中年』など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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