2022年03月10日
東日本大震災から11年。震災と原発事故はいまだ、この社会と人びとに深い傷痕を残しています。私たちは、この経験から何を学び、考え、どんな手を打つべきなのか。「論座」でこれまで公開した論考の中から、改めてお読みいただきたいものをご紹介します。(論座編集部)
コスト高の原発を見切り、太陽光と洋上風力を電源の二本柱にすべきだ
2022年02月22日公開
北村俊郎 元日本原子力発電理事
筆者は「原子力一筋」で生きてきたものの、原発事故のため福島県富岡町の自宅に帰れなくなりました。経験を踏まえて考えるうち、「私も含め関係者が、原子力村という狭い世界からしか物事を見なかったことが事故を予見出来なかった要因のひとつであると思うようになった」といいます。その筆者が論じる、エネルギーと日本の未来像です。
◆「原発マネー」は地域に貢献しない――元祖「原子力村」東海村の前村長が説く「脱原発」論
緊急防護措置の対象区域に約100万人、それで地域防災計画など作れない
2021年03月15日公開
石川智也 朝日新聞記者
茨城県東海村の前村長・村上達也さんのインタビュー。原発事故後、脱原発を公言し、村内の原発廃炉を国に求めた人物です。「首都圏に最も近い東海第二原発もあの日、福島第一原発と同じような事態に陥るのを、なんとか綱渡りで免れ」たこと。原発マネーに変わりうる収入は存在しないものの、それは「地域に本質的に貢献しない」ことなどを語っています。
筆者は孤立したり困窮したりしている人の支援にとりくむ牧師。震災直後から被災地の支援にあたってきました。いまは「いのちを笑う」時代だという筆者は、こう呼びかけます。「人は生きているかぎり笑える。そう、人は『いのちで笑う』のだ」「私達は、笑っているだろうか?……だから、言いたい。『あなたは、笑える』と」
◆元首相は映画『Fukushima 50』をどう見たか 菅直人インタビュー【1】
事故のリアリティはよく出ている。ただし描かれていないことも多い
2020年03月10日公開
◆元首相は映画『Fukushima 50』をどう見たか 菅直人インタビュー【2】
ほとんどの人が「原発なしでやっていけるなら、原発はいらない」と考えているはずだ
2020年03月12日公開
中川右介 編集者、作家
震災当時の首相、菅直人氏のインタビュー。こんなことを語っています。「『神の御加護』があったから日本は助かった……具体的には、この2号機の圧力低下です。もうひとつが4号機の使用済み核燃料プールに水が残っていたことです。とくに2号機については、あけようと思って何かをして穴があいたわけではなく、本当に人の力をこえた何かのおかげだった」
原発事故後、原子力災害専門家グループで「座長のような役割」を務めた筆者(故人)。「1ミリシーベルトでも危険」という学者も「100ミリシーベルトでも影響は認められない」と主張する学者もいるなか、「日本の科学者は深刻な反省をしたうえで、総力を結集して科学者コミュニティーで合意した科学者の声として社会に対しての助言をしなければ」と唱えています。
ほかにも、さまざまな論考を公開しています。下記の論考も、ぜひお読みください。
◆原発事故から10年、この国の2つの「病巣」を抉る
(上)「民意」を嫌う間接民主主義
2021年03月16日公開
(下)「主権者としての責任」を果たしたか
2021年03月17日公開
今井 一
◆原発事故は終わっていない:東日本大震災から10年
5つの教訓を踏まえて、廃止措置や復興対策の改革案を示す
2021年03月11日公開
鈴木達治郎
◆福島第一原発事故から10年 置き去りにされたままの「責任」
被害を広げたのはだれ?「廃炉に30~40年」はだれが決めた?
2021年03月08日公開
竹内敬二
◆【44】東日本大震災から10年、その時に起きたことを思い出す
2021年02月25日公開
福和伸夫
◆「原発報道」は戦後ジャーナリズムの敗北の原点である
ジャーナリスト柴田鉄治さんの訃報に接して
2020年09月17日公開
石川智也
◆海洋放出の是非を考えるのに欠かせない「トリチウム水」への理解
ALPS処理は有効なのか、発表データは正しいのか、様々な疑念が生じやすい「水」
2020年07月08日公開
小山良太
◆福島原発事故の本当の怖さ教える「フクシマ・フィフティー」と最悪シナリオ
「幸運」と「偶然」が止めた東京避難、そして日本3分割という展開
2020年03月11日公開
竹内敬二
◆東京湾に地層処分場の入り口を作りませんか
核のゴミ(地層処分)、本気で考えなきゃダメじゃね?
2020年03月03日公開
半谷輝己
◆原発の町・双葉町に生まれて
震災から9年 失いかけている記憶をたどる
2020年03月02日公開
半谷輝己
◆新型コロナウイルス、大地震…。想定外の危機に必要な為政者の心構え
「危機管理」が揺らぐ安倍政権。不安の悪循環から脱するため、過去から何を学ぶか
2020年02月29日公開
曽我豪
◆「福島三部作」で原発に揺れた町を描く
民主主義の欠陥を自覚し、新たな熟議を
2020年02月27日公開
谷賢一
◆「エア御用学者」のささやかな目標
私が「親原発系メディア」に「分からないこと」を発信する理由
2020年01月25日公開
越智小枝
◆福島原発処理水の海洋放出を決断する時だ
福島に寄り添い、差別とは断固として戦う
2019年11月17日公開
細野豪志
◆トリチウム水どうする 社会を一歩進める好機に
漁業者だけに責任を負わせてはならない
2019年10月11日公開
小松理虔
◆「語れなさ」を考える
戦争と震災――体験との距離をめぐって
2019年07月30日公開
瀬尾夏美
◆福島のもう一つの危機 被災自治体職員の疲弊
ヒーローにしなくてもよい。ただ、もっともっと理解が必要だ
2019年07月21日公開
前田正治
◆震災8年、3つの視点への疑問
被災地・岩手県大槌町に駐在した記者が警告する風化
2019年03月17日
東野真和
◆葬られる福島第一原発の事故調査報告書
原因究明と再発防止の提言は、ほとんど無視されたままだ
2018年08月23日公開
伊藤隆太郎
◆福島事故による放射性ヨウ素被ばくは多くない
「データが不十分で被ばく量はわからない」という主張は間違いだ
2017年10月13日公開
高橋真理子
◆[3]「帝国」はいま
島尾敏雄「出発は遂に訪れず」
2011年07月01日公開
外岡秀俊
◆[2]「放射能に、色がついていたらなあ
カフカ「城」
2011年06月04日公開
外岡秀俊
◆[1]復興には、ほど遠い
カミュ「ペスト」
2011年05月27日公開
外岡秀俊
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