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神様が走り、市民ランナーが感動~東京マラソンが見せた世界最高峰の舞台

コロナ禍を超え、1万9千人の大会成功。ワールドマラソンメジャーズを牽引

増島みどり スポーツライター

拡大東京マラソン2021で東京駅前のゴールに駆け込むランナー=2022年3月6日、東京都千代田区

男女とも世界記録保持者が圧巻の走り、一般ランナー3年ぶり出場

 一般ランナーが3年ぶりに出場した「東京マラソン2021」が6日、マラソンでは一般ランナーを含めた男・女、車いす男・女の4クラス1万9057人が参加して行われた。「2021」とされているのは、新型コロナウイルスの感染状況が悪化し昨年の3月から10月に延期され、さらに今年の開催となったためで、2022大会は中止になっている。

1万9千人超す参加者、完走率は実に95.8%

 6日は快晴、気温11.3度、湿度も29%(スタート午前9時)と安定した天候で、場所によっては風が強く吹いたが、それでも出走人数に対して完走は1万8265人。制限時間7時間の完走率が実に95.8%と、東京マラソンのデータによれば、19年の完走率94.3%を上回った。コロナ禍で様々な大会が中止になるなかでも、市民ランナーがコツコツと毎日練習を積んで、晴れの舞台に臨んだ様子を表す数字だろう。

 今年になって、男女の世界記録保持者が出場する嬉しいサプライズが発表されたのも、世界的に見てもハイレベルな完走率に好影響をもたらしたのかもしれない。

拡大東京マラソン2021で力走する男子の世界記録保持者エリウド・キプチョゲ(手前)
拡大大会記録を更新し1位でゴールする女子の世界記録保持者ブリジット・コスゲイ

「世界の足音」を体感、市民ランナー興奮

 男子は、昨年の東京五輪で連覇の偉業を果たした2時間1分39秒の世界記録(2018年樹立)を持つエリウド・キプチョゲ(37=ケニア)、女子も19年に2時間14分4秒をマークしたブリジット・コスゲイ(28=ケニア)が出場。キプチョゲ、コスゲイとも日本の国内で行われたレースとして最高記録となる2時間2分40秒、2時間16分2秒と圧倒的な力を見せて優勝を果たした。

 ゴール地点となった東京駅丸の内付近で、ゴールを果たした市民ランナーに話を聞くと、「すれ違って、あのスピードを目の当たりにしただけで、もう大感激」(4時間30分ほどでゴールした60歳主婦)、「男女世界記録保持者や日本選手の記録を見て、こんな凄いレースを自分も一緒に走った、って、ボクの記録はさておき、みんなに自慢します」(6時間かかったが完走した30歳会社員)と、実際に感じられた世界の「足音」に興奮冷めやらない様子だった。

拡大銀座4丁目交差点を通過するランナー=東京都中央区
拡大東京都庁前を一斉にスタートするランナー=東京都新宿区

最強夫婦誕生~鈴木と一山が合計でギネス記録、共に日本人トップ

 日本記録保持者で日本勢男子トップに入った鈴木健吾(富士通、2時間5分28秒=4位)と、東京五輪で8位に入賞した同女子トップの一山麻緒(ワコール、2時間21分2秒=6位)は昨年結婚し、今大会は夫婦で走る初のマラソンでもあった。

拡大女子で日本勢トップの6位でゴールする一山麻緒
拡大男子で日本勢トップの4位でゴールする鈴木健吾

 2人の合計タイムは4時間26分30秒と、「夫婦同一マラソン合計タイム」のギネス記録だった4時間27分5秒を更新。一味違った「世界記録」の達成に、一山は「嬉しかったです」と、短いコメントではにかんだ。

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筆者

増島みどり

増島みどり(ますじま・みどり) スポーツライター

1961年生まれ。学習院大卒。84年、日刊スポーツ新聞に入社、アマチュアスポーツ、プロ野球・巨人、サッカーなどを担当し、97年からフリー。88年のソウルを皮切りに夏季、冬季の五輪やサッカーW杯、各競技の世界選手権を現地で取材。98年W杯フランス大会に出場した代表選手のインタビューをまとめた『6月の軌跡』(ミズノスポーツライター賞)、中田英寿のドキュメント『In his Times』、近著の『ゆだねて束ねる――ザッケローニの仕事』など著書多数。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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