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ウクライナより愛をこめて④ 雪の国境越え、赤ちゃん連れに順番を譲る人々

[3月6日~3月9日]チェルニフツィ、ルーマニア国境、ブカレスト、PCR検査……

金平茂紀 TBS報道局記者、キャスター、ディレクター

3月6日(日) きのうの『報道特集』の生中継が終わるや、情けないことに、どっと疲労が噴き出して体を少しだけ休めることにしたが、荷物のパッキングやもろもろのことで、あっという間に時間が過ぎてしまった。食堂でランチをとっていたら、テレビでウクライナ軍を鼓舞するビデオ・クリップがまた流れている。バックにラップが流れているやつ。

 スーパーマーケットの書籍コーナーで買ったウクライナの歴史の試験問題集をパラパラめくっていたら、本当に興味深くて、2014年のマイダン革命についての設問があったことは前にも触れたが、古代史、つまりウクライナという国の起源にまつわる問題も相当に取り上げられている。

 ウクライナ語は分からないが、そこに添えられているイラストや写真に想像力をくすぐられる。ロシアからすればウクライナとロシアは同祖なのだが、どうもウクライナの教科書では微妙に違っているようだ。帰国してから誰かに概要を訳してもらおう。

ウクライナの歴史試験問題集拡大ウクライナの歴史試験問題集=撮影・筆者
問題集のマイダン革命についての問い拡大問題集のマイダン革命についての問い=撮影・筆者

 パッキングが終わりかけていたら、部屋をノックする人がいる。ドアをあけると、隣室のウクライナ人家族の青年が立っている。最初の空襲警報退避の時に地下シェルターで話を聞いた家族の一人だった。彼らはキエフから逃げて来たと言っていた。

 彼は、僕らがチェルニフツィを去ることを知って訪ねてきたのだろう。この青年がプレゼントすると言って持ってきたのは、何と第二次大戦後もソ連と戦い続けた民族主義者の「ウクライナ蜂起軍」の旗だった。彼はいつか日本に行きたいので連絡先を教えて欲しいと言ってきた。ウクライナにもいろいろな人たちがいるのだ。

青年がプレゼントしてくれた「ウクライナ蜂起軍」の旗拡大青年がプレゼントしてくれた「ウクライナ蜂起軍」の旗=撮影・筆者

 あしたは朝早くチェックアウトしなければならない。考えてみれば、このチェルニフツィの町のホテルはどこも避難民で満室だったが、このどこかの工場か何かの保養宿泊施設みたいなところに泊まれて本当によかった。受付の女性や食堂の支配人を含め、みんな親切だった。

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筆者

金平茂紀

金平茂紀(かねひら・しげのり) TBS報道局記者、キャスター、ディレクター

TBS報道局記者・キャスター・ディレクター。1953年、北海道生まれ。東京大学文学部卒。1977年、TBSに入社、報道局社会部記者を経て、モスクワ支局長、「筑紫哲也NEWS23」担当デスク、ワシントン支局長、報道局長、アメリカ総局長、コロンビア大学客員研究員などを経て、2010年より「報道特集」キャスター。2004年、ボーン・上田記念国際記者賞受賞。著書に『沖縄ワジワジー通信』(七つ森書館)、『抗うニュースキャスター』(かもがわ出版)、『漂流キャスター日誌』(七つ森書館)、『筑紫哲也『NEWS23』とその時代』(講談社)など多数。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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