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動き出した「社会教育士」、学び支える固有の役割は守れるか

行政の狙いは地域課題の解決、その課題と広がる活動への期待

樫村愛子 愛知大学教授(社会学)

効率重視の「変節」を問題視

 日本の社会教育は、古くは公民館教育運動に代表されるように、学校教育がまだ行き渡っていない時代に、学校で十分に学べなかった成人に対する教育や、戦後民主主義を発展させることを目指してきたという歴史的経緯がある。その後、高度経済成長を経ると、「生涯教育」という概念になってきた。内容も社会の変容に伴い、その役割を変えてきた。

 最近の社会教育のあり方については、研究者から社会教育の「新自由主義的変節」を問題視する声が上がっている。

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筆者

樫村愛子

樫村愛子(かしむら・あいこ) 愛知大学教授(社会学)

愛知大学文学部社会学コース教授。1958年、京都生まれ。東大大学院人文社会系研究科単位取得退学。2008年から現職。専門はラカン派精神分析理論による現代社会分析・文化分析(社会学/精神分析)。著書に『臨床社会学ならこう考える』『ネオリベラリズムの精神分析』、共著に『リスク化する日本社会』『現代人の社会学・入門』『歴史としての3・11』『ネオリベ現代生活批判序説』など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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