赤木智弘(あかぎ・ともひろ) フリーライター
1975年生まれ。著書に『若者を見殺しにする国』『「当たり前」をひっぱたく 過ちを見過ごさないために』、共著書に『下流中年』など。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
ANNnews(テレビ朝日系)で公開されたニュース動画(2022/4/8)に、ネット上で困惑の声が溢れた。
千葉県の四街道市で、ランドセルを背負った小学1年生が、婦人警官の指導の下、信号のない交差点で止まってくれた運転手に90度近いお辞儀をしてお礼をさせるというニュースの動画である。
警察としては子供たちがお礼をして運転者とコミュニケーションを取り、「双方を思いやる」ことで事故を防ぐことにつながると考えているという。
JAF(一般社団法人日本自動車連盟)の調べによると、信号機のない横断歩道で車が止まってくれる率が一番高いのは長野県で約7割。全国では8割の車が止まらないというが、長野では子供のときから運転者に頭を下げるのが習慣化されていて、彼らが大人になってドライバーになると車を止めるようになるという見方もある。
確かに礼をするだけで通学の安全性が保たれるのであれば良いことではあるのだが、僕はどうも気持ちの悪さを感じてしまった。
それはネットでも同じようで、賛同的な意見よりも批判的な意見が目立っていた。