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難民認定の一次審査に平均2年8か月、標準処理期間の5倍超!

長引けば申請者は疲弊する。だれが責任を取るのか

児玉晃一 弁護士

不服申立ては平均1年9か月

 2022年5月13日、出入国在留管理庁が2021年中の難民認定者数等についての資料を公表しました。

 認定数や認定率については、既に色々なところから意見が出ていますが、私は審査期間に注目しました。

声明・提言等(2022年5月13日)全難連より「入管庁発表「令和3年における難民認定数等について」を受けての声明」を発表しました。 – 入管・難民法改正の関連情報

https://twitter.com/ja4refugees/status/1525023445897060352

 「令和3年における難民認定者数等について」の6頁によれば「一次審査の平均処理期間は約32.2月、不服申立ての平均処理期間は約20.9 月となっています。」とされています。

 標準処理期間は、6か月です(一次審査を対象とするもののようです)。

難民認定審査の標準処理期間に係る目標の達成状況について | 出入国在留管理庁 

拡大難民不認定の取り消しを求めた裁判で勝訴が確定した後、国に再び不認定とされ、2回目の裁判で改めて難民認定を求めていたスリランカ人の男性。のちに勝訴が確定した

「達成すべき目標に」~法務省政策評価懇談会での指摘

 2020年の平均処理期間は一次で約25.4月、不服申立ては約26.8か月でした(「令和2年における難民認定者数等について」6頁)。

 法務省の政策評価懇談会では、座長の篠塚力弁護士から

 ・標準処理期間の4倍以上の時間を費やしている現状を改善するために、難民申請に対する審査期間の標準処理期間の遵守を達成すべき目標に掲げるべきであると考えます。
https://www.moj.go.jp/content/001367717.pdf の6頁 5−6)

 との意見が出されていました。

 これに対する出入国在留管理庁の答えは、

 難民調査官等の増員など、迅速処理に必要な措置を講じてきたところ、引き 続き、難民認定業務を適正かつ迅速に遂行するための審査体制の強化・整備 を不断に検討していきます。

 というものでした。

 それなのに、2021年は2020年と比較して、トータルで約1か月、一次だけだと約7か月も増えています。

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筆者

児玉晃一

児玉晃一(こだま・こういち) 弁護士

1966年生まれ。早稲田大学卒業。1994年弁護士登録。2009年からマイルストーン総合法律事務所(渋谷区代々木上原所在)代表弁護士。1995年から入管収容問題、難民問題に取り組む。移民政策学会元共同代表、元事務局長。2014年からは”全件収容主義と闘う弁護士の会 「ハマースミスの誓い」”代表。2021年春の通常国会衆議院法務委員会では改定入管法に反対の立場で参考人として意見を述べた。著書・論文に『難民判例集』(2004年 現代人文社)、『「全件収容主義」は誤りである』(2009年 『移民政策研究』創刊号)、「恣意的拘禁と入管収容」(法学セミナー 2020年2月号 2020 日本評論社)などがある。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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