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すき家の「ワンオペ」女性店員死亡事故の本質は、ワンオペにはない

赤木智弘 フリーライター

ダブルワークで一日中働き尽くしの結果

「すき家」の店舗=東京都内拡大すき家の「ワンオペ」店員死亡事故の本質的な問題は何か=東京都内

 そもそも「ワンオペだからキツい労働だったに違いない」というのは憶測に過ぎない。ワンオペだろうとツーオペだろうと、仕事量に適した人員数であれば問題はないのである。

 また24時間営業だからキツいに違いないと思っている人もいるが、これも適切なシフトさえ敷けていれば特に問題はない。

 結局のところは仕事量や時間に対して適切な労働力を割り振ることができさえすればいいのである。

 では問題の本質はなにか。それは労働者の待遇が悪いことである。

 一部報道によれば彼女はダブルワークで働いていたという。すき家での労働は22時から9時までだったということで、こちらの仕事だけでも11時間。1時間しっかり休憩を取れていたとしても10時間労働である。すでにフルタイムを超えた労働であるが、さらにダブルワークで別の勤務をしていたのだから、かなり無理をしていたと考えられる。

 しかも58歳という、もうすぐ還暦を迎えようとする女性がダブルワークで一日中働き尽くし。こういう生活を続けていたら健康を害しても無理はないだろう。今回は、倒れてから3時間発見されなかった結果、あまりに悲しい結末になってしまった。

 しかしこれがツーオペで、倒れた時点で発見され、病院に運ばれたとしても、

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筆者

赤木智弘

赤木智弘(あかぎ・ともひろ) フリーライター

1975年生まれ。著書に『若者を見殺しにする国』『「当たり前」をひっぱたく 過ちを見過ごさないために』、共著書に『下流中年』など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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