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『岸辺のアルバム』の名プロデュ―サーを偲んだ

[5月19日~5月27日]堀川とんこうさんを偲ぶ会、甲状腺がん訴訟口頭弁論……

金平茂紀 TBS報道局記者、キャスター、ディレクター

『パイナップル ツアーズ』のパワーと躍動感

5月21日(土) 代島治彦さんからお声がけをいただいた映画『パイナップル ツアーズ』の上映後トークに参加する。この映画がつくられたのが何と1992年だとは。僕はその当時モスクワに暮らしていた。だから第1次沖縄ブームに先駆けて作られたというこの映画をリアルタイムでみていない。それにしてもこのパワー、躍動感。その後の第1次ブームで『ナビィの恋』を手掛けた中江裕司監督ら琉球大映画研究会などに集っていた3人の監督が、オムニバス風に3つのエピソードをつなぐ。照屋林助とか平良とみが実に魅力的だ。みんな故人になってしまったけれど。

『パイナップル ツアーズ』拡大『パイナップル ツアーズ』は、今見てもとても面白いよ=筆者提供
 スクリーン上の林助さんの姿をみていて、はるか昔に、コザの照屋楽器店の2階にミニスタジオがあった旧店舗の頃、照屋林助さんと息子の照屋林賢さんらのお宅で開かれた旧盆の宴会に僕らTBSの取材クルーが紛れ込んで、お酒を酌み交わした記憶が蘇ってきた。いい時代だった。一人一人歌えと林助さんに言われて、確かTBSクルーの中からVEさんが「荒城の月」かなんかを歌ったような記憶があるのだけれど。

 『報道特集』の生放送。前半が、コロナ禍が長期化する中で、マスクを着けることの影響が子どもたちの成長にもさまざまな影響が出ていることなどに着目した、本当に久しぶりのコロナ禍報道。

 後半の特集は、近く第1回の口頭弁論が行われる対東電・甲状腺がん損害賠償請求訴訟をめぐる原告の訴えの内容を取材した特集。ウクライナ侵攻前から力を入れてNディレクターとともに取材をしていたものだ。原告たち6人は、<3・11>当時、いずれも子ども時代にあった若者たちだ。甲状腺がん罹患の事実について、原告たちは、狭い地域社会のなかで周囲には隠しながら、悩みに悩み続けてきたという。

 彼ら彼女らは、すでに甲状腺を片側切除、両方とも切除といった手術を受けている。投薬や治療は一生これからも続く。ある意味で、福島第一原発事故によって人生が一変した人々だ。提訴の際に、僕は原告の6人のうちの一人と直接言葉を交わす機会があった。不条理な現実の一端に言葉を失いかけた記憶がある。放送した後、厳粛な気持ちになる。その後、別件で不条理な展開。

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筆者

金平茂紀

金平茂紀(かねひら・しげのり) TBS報道局記者、キャスター、ディレクター

TBS報道局記者・キャスター・ディレクター。1953年、北海道生まれ。東京大学文学部卒。1977年、TBSに入社、報道局社会部記者を経て、モスクワ支局長、「筑紫哲也NEWS23」担当デスク、ワシントン支局長、報道局長、アメリカ総局長、コロンビア大学客員研究員などを経て、2010年より「報道特集」キャスター。2004年、ボーン・上田記念国際記者賞受賞。著書に『沖縄ワジワジー通信』(七つ森書館)、『抗うニュースキャスター』(かもがわ出版)、『漂流キャスター日誌』(七つ森書館)、『筑紫哲也『NEWS23』とその時代』(講談社)など多数。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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