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同性婚を否定した大阪地裁判決の無限ループ論法

蹂躙される「法の下での平等」

北丸雄二  ジャーナリスト、コラムニスト

制度や手当てがないから裁判になっているのだが……

同性婚を認めないのは「合憲」とした大阪地裁の判決内容を伝える弁護団=2022年6月20日午後2時29分、大阪市北区拡大「同性婚を認めないのは合憲」とした大阪地裁判決の内容を支援者に伝える弁護団=2022年6月20日、大阪市北区

 先ほど同性カップルが享受し得る利益は「異性カップルが婚姻により享受し得る法律上の効果に及ばないことは確か」と言い切ったと同じその口で、享受する「その方法には様々な方法が考えられる」とまた元に戻る。さらにそれは「婚姻類似の制度やその他の個別的な立法上の手当てをすることによって更に緩和することも可能である」と希望を述べる。言っておくが、そんな制度や手当てがないから裁判になっているのではなかったか。この無限ループ論法には

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筆者

北丸雄二

北丸雄二(きたまる・ゆうじ)  ジャーナリスト、コラムニスト

毎日新聞、東京新聞(中日新聞)社会部から同ニューヨーク支局長を経て1996年に退社し在ニューヨークのまま執筆活動。2018年帰国。著書『愛と差別と友情とLGBTQ+──言葉で闘うアメリカの記録と内在する私たちの正体』 (人々舎)で「紀伊國屋じんぶん大賞2022」2位受賞。訳書に『LGBTヒストリーブック──絶対に諦めなかった人々の100年の闘い』(ジェローム・ポーレン著、サウザンブックス社)、絵本『ぼくらのサブウェイ・ベイビー』(ピーター・マキューリオ作、レオ・エスピノーサ絵、同社)など多数

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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