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バカ、バカと言いながら自身をひっぱたきたい気分

[6月7日~6月15日]どこにもないテレビ、桐野夏生さん、ウクライナ公共放送……

金平茂紀 TBS報道局記者、キャスター、ディレクター

ウクライナ公共放送会長に聞く戦時下での放送

6月9日(木) ストレスが極点になりつつあることもあって、こういう時は、朝、プールへ行き、とにかく泳ぐのだ。

 その後、市谷で作家・桐野夏生さんとの対談。雑誌『arc』の記事として。桐野さんとの対談は『日没』をめぐって他メディアで行ったことがあり、これが2度目ということになるが、桐野さんとは世代が近いこともあってか、どこか安心して話ができるという雰囲気がある。ウクライナ・ショックから、重信房子氏の出所にからめて桐野さんの小説『夜の谷を行く』についてもお話をお聞きしたいと思っていたのだった。とりわけ<世間とのたたかい>について。さらには、最新作『燕は戻ってこない』のことや、日本ペンクラブ初代女性会長就任という世界でも稀少な(?)現象をめぐっても話したかったので。桐野さんは身軽にお一人で会場にやって来られて、対談終了とともに軽やかに立ち去られた。あっという間の100分。

桐野夏生さんとの対談 撮影:鈴木晶子 ©『ARC』拡大桐野夏生さん(左)との対談=撮影・鈴木晶子  ©『arc』
 その後、日本記者クラブに移動して、ウクライナ公共放送のミコラ・チェルノティツキ―会長とのオンライン記者会見に参加する。会長は若干38歳、英語で質疑に応じていた。戦時下の公共放送はどうなっているのか。まさに最もホットな状況・場所にいる人物である。NHKと日テレが取材に来ていた。

 せっかくの機会なので僕も質問した。下手な英語で次のように聞いた。「戦時下での放送で最も重要だと会長がお考えになっているポリシーは何ですか? 私がこの質問をするのは、日本のラジオや新聞が、戦時中に、勝つための報道を第一に掲げて、国民に真実を伝えそこなったという失敗をした苦い経験があるからです。勝つための報道と真実を伝える報道との間には何らかの矛盾を感じられますか?」。

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筆者

金平茂紀

金平茂紀(かねひら・しげのり) TBS報道局記者、キャスター、ディレクター

TBS報道局記者・キャスター・ディレクター。1953年、北海道生まれ。東京大学文学部卒。1977年、TBSに入社、報道局社会部記者を経て、モスクワ支局長、「筑紫哲也NEWS23」担当デスク、ワシントン支局長、報道局長、アメリカ総局長、コロンビア大学客員研究員などを経て、2010年より「報道特集」キャスター。2004年、ボーン・上田記念国際記者賞受賞。著書に『沖縄ワジワジー通信』(七つ森書館)、『抗うニュースキャスター』(かもがわ出版)、『漂流キャスター日誌』(七つ森書館)、『筑紫哲也『NEWS23』とその時代』(講談社)など多数。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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