スポーツの新たな可能性探る「TOKYO UNITE」
2022年07月12日
東京に本拠地を置く14のスポーツチームや団体による新たな「TOKYO UNITE」のプロジェクトが7月7日発表され、都内のホテルでメディア、関係者による対面会見が行われた。14団体のトップが揃う異例の会見のため、ひな壇も記念撮影もかなり横長のレイアウトに。結束や団結を示す「UNITE」よりも、先ずは「並んだ」状態に意味がある、と示しているようにも見えた。
「東京を盛り上げたい」と、関係者との会話から始まったプロジェクトを明かした北島康介氏は、ISL(国際水泳リーグ)に参入した「Tokyo Frog Kings」のゼネラルマネジャーでもあり、冒頭にあいさつをした。
「(このプロジェクトに)大きな可能性があり、自分でもどう成長していくかはまだ想像ができないが、その分、期待感しかない。これがモデルケースとなり全国、世界へと広がればと思う」。荒川区西日暮里出身の同氏は、東京をスポーツで連携する新たな価値の創成へ、意気込みをこう話した。
日本相撲協会(墨田区)の八角信芳理事長は、同協会の定款を引用しながら「(3条が定めるように)相撲文化の振興と国民の心身の向上に寄与するために、この取り組みが子供たちのいきいきした生活にもつながるために積極的に取り組みます」とした。
プロ野球からは巨人、ヤクルト、JリーグのFC東京、町田、東京ヴェルディほか、バスケットボール、ラグビー、卓球の木下マイスターと、東京を所在地とする14団体のトップがそれぞれ挨拶をし、①スポーツでの東京の発展とブランディングの向上、②東京が抱える社会問題解決に連携し、発信して行動すると、主に二つの取り組みを掲げた。
会見には、東京都の小池百合子知事と、スポーツ庁の室伏広治長官が直前になって出席。連携の具体案は明かされなかったが、新たな取り組みへの期待感がにじむ。
スポーツ庁は現在、公立中学校の運動部活動改革を行っており、有識者による検討会議を重ねている。学校が休日の活動は、段階的に地域の民間団体に委ねる方向で基本的な提言はまとまった。2023年から25年までの3年間を「改革集中期間」とスピードも優先し、対応が可能ならば平日の活動でも地域移行を推進していく方針だ。
室伏長官は「様々な面で、東京だけではなく、日本のスポーツ界と社会の連携を良い方向にリードしてくれるのではないか」と期待感を表す。民間に部活を移行するうえで、学校以外にも充実したハード(施設)、部活に対応できる指導者の確保といったソフト面でも、今後検討すべき課題は多い。そうした中、施設や充実したソフトを日常的に組織として運営する14団体による連携が発展すれば、子どもたちのスポーツの変革に「受け皿」にもなるはずだ。
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