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羽生結弦の競技引退によせて──10年前と5年前の彼の言葉から

「自分の弱さばかりが目についた」と厳しい目を向け続けていたからこそ

田村明子 ノンフィクションライター、翻訳家

 7月19日、羽生結弦選手が記者会見で競技生活に終止符を打ち、プロに転向する意向を発表した。2010年の秋にシニア競技に上がってから12シーズン。多くの負傷に見舞われながらも、ついぞ1シーズンも丸々休むことなく闘い続けた。

 27歳の彼にいつかこの日が来ることは、予想していた。だが心のどこかで、スーパーヒューマンの羽生なら、まだまだ続けてくれるのではないか、という思いもあった。北京オリンピックの演技を見ても、少なくとも今季の埼玉世界選手権(2023年3月)までは十分にトップで競う体力はありそうに思えた。だがこうした余韻を残して潔く身を引く、というのはいかにも羽生らしいという気もしている。

競技から退き、プロ転向を発表した羽生結弦選手=2022年7月19日拡大競技から退き、プロ転向を発表した羽生結弦選手=2022年7月19日

 筆者は羽生選手がシニアに上がった直後から、取材を続けてきた。中でももっとも印象に残っているのは2012年にトロントのクリケットクラブで、単独インタビューをさせてもらった時のことだ。

 羽生が2012年3月にフランスのニース世界選手権で銅メダルを手にし、その後カナダのブライアン・オーサーコーチに師事することになった。トロントに拠点を移したばかりの彼を現地取材させてもらったのは、2012年8月。今からちょうど10年前のことになる。

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筆者

田村明子

田村明子(たむら・あきこ) ノンフィクションライター、翻訳家

盛岡市生まれ。中学卒業後、単身でアメリカ留学。ニューヨークの美大を卒業後、出版社勤務などを経て、ニューヨークを拠点に執筆活動を始める。1993年からフィギュアスケートを取材し、98年の長野冬季五輪では運営委員を務める。著書『挑戦者たち――男子フィギュアスケート平昌五輪を超えて』(新潮社)で、2018年度ミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。ほかに『パーフェクトプログラム――日本フィギュアスケート史上最大の挑戦』、『銀盤の軌跡――フィギュアスケート日本 ソチ五輪への道』(ともに新潮社)などスケート関係のほか、『聞き上手の英会話――英語がニガテでもうまくいく!』(KADOKAWA)、『ニューヨーカーに学ぶ軽く見られない英語』(朝日新書)など英会話の著書、訳書多数。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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