女子は901人の試合も W杯イヤーに代表ビジネスは正念場を迎えたか
2022年08月11日
1998年フランス大会で初出場を果たして以来、7大会連続で出場を積み上げてきたサッカー日本代表の強化やビジネスを、大きく変える枠組みが8月1日、明らかにされた。
今年11月に行われるW杯カタール大会(20日開幕)を最後に32カ国によるW杯は終了し、26年大会から48か国による開催となる。このため、アメリカ、カナダ、メキシコと、史上初の3カ国、広域での共催がすでに決まっている。
加えて1日、アジアサッカー連盟(AFC)はアジアの出場枠が現在の4.5から8.5に拡大されると正式に発表した。0.5枠とは、別の大陸と争うプレーオフを意味しており、アジアからは最大9カ国の出場が可能になる。
AFCによると、23年10月に始まる新たなアジア予選の方式では、1、2次予選を勝ち抜いた18カ国が最終予選に進出。これを6カ国3グループに分け、それぞれの上位2カ国、6カ国が自動的にW杯出場権を獲得する。残る2.5枠をかけて、三つのグループの3位と4位の6カ国を2グループに分け、「アジアプレーオフ」を実施する。各グループ1位が出場権を得るのでこれで8カ国になる。最後の0.5枠を、グループの2位同士で争い、勝利した方がアジア代表として他大陸とのプレーオフに臨む。
過去の最終予選で繰り広げられたドラマチックな展開は、サッカーファンだけではなく、誰もが知るスポーツシーンとして人々の心に刻まれてきた。延長の激闘の末イランを下し、悲願のW杯初出場を決めた1997年の「ジョホールバルの歓喜」に日本中が湧き、岡野雅行のゴール、岡野のもとに真っ先に駆け寄った、日本代表・岡田武史監督の姿は語り継がれる。
2002年は開催国として予選が免除され、05年に迎えたドイツW杯アジア最終予選では、前代未聞のハプニングに見舞われた。北朝鮮に科せられた罰則のために、出場がかかったタイ・バンコクでの同国との一戦が無観客試合に。それでも現地に駆けつけたサポーターが、スタジアムの外から懸命の声援を送るなか、ジーコ監督のもと3大会連続出場を決めた。
選手、監督には申し訳ないが、「何が起きるか分からない」最終予選には、メディアが一喜一憂する「崖っぷち」が付き物だった。実際にカタール大会最終予選でも初戦オマーン戦(21年9月、0-1)をホームで落とし、一時は崖っぷちに。そこから態勢を立て直した。しかし9カ国の出場となると、油断するわけではないが、「崖っぷち」「クビの皮一枚」といった大げさな表現はもはや不要になる。
7月には日本代表をめぐる衝撃的な数字が注目された。4カ国による「東アジアE-1選手権」の初戦、香港戦が行われた「カシマスタジアム」(7月19日)の観客数はわずか4980人。すくなくともW杯出場国となった97年以降では異例の少なさに、サッカー人気の陰りや、スポーツ界をけん引する日本代表ビジネスの限界か、といった指摘もされている。
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