[7月18日~7月25日]山口広弁護士、赤木雅子さん、有田芳生さん……
2022年08月12日
7月18日(月) きのうのNHK・BSで放送された遠藤正雄・新田義貴両氏取材によるウクライナ現地での作品『キーウ 市民たちの抵抗〜映画監督が見つめた戦時下の首都〜』(初回放送日: 2022年7月17日)をみて励まされる。遠藤・新田両氏の現地取材で、いわば「身元引受人」となったウクライナ人映画監督の切実な思いが伝わってきた。キーウ市内の八百屋さんのおばちゃんが町の人々に野菜を売っている姿が強く印象に残る。困っている人からはお金をとらないという。
そのシーンの画面を見て気づいたのだが、お店の表の壁に「WiFi ZONE」のステッカーが貼られている。ウクライナ・キーウのオンライン環境は、戦争中であるにもかかわらず(あるいは、であるからこそ)急速なテンポで整えられており、それが情報戦でウクライナ優位の基盤となっているという話を別のソースから聞いた。
午前中、煩瑣な証明手続きだけのために川崎市の行政サービスコーナーへと出向く。日本という国では、お役所仕事とはどこにおいてもお役所仕事でしかない。システム自体が、そこに暮らしている住民本位にできていないのだ。午後、早稲田大学のゼミの授業。
知人との情報共有で、7月11日の『クローズアップ現代』は、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)問題でNHKにしては頑張っていたとの評価を聞いたが、その後、急速に尻すぼみになっているようだ。NHKで何が起きているのか。さらに旧統一教会日本支部の田中富広会長の記者会見場の出席可否をめぐって、フリーランスや週刊誌を排除したことで現場が揉めたが、その後のいわゆる大手メディアの記者たちの対応がよくなかったとの話を聞かされる。やっぱり現場に行かないとダメだな。
そのまま、神保町の不快事をめぐる最終的な対応でオンライン協議。とにもかくにも、この理不尽な推移の責任は、編集長側にある。記事というものは、編集者と執筆者の信頼関係に基づいて成り立つ。その関係が一方的に破棄されようとしている。
7月19日(火) 午前中『報道特集』の定例会議。オンラインで参加。旧統一教会についての基本的知識に相当な落差があることを知り、正直、衝撃を受けたが、そのことの意味をよくよく考えてみれば、1980年代から霊感商法や合同結婚式で社会問題化したこの教団のカルト性を、後続の世代に伝承し損なったという、僕ら及びそれ以上の世代の責任という問題が浮かび上がってくる。
午後一番の便で沖縄へと向かう。沖縄国際大の授業、今日が前期の最終回となる。安倍元首相銃撃事件の余波。統一教会のことを今の若い世代は知らない。歌手・桜田淳子の合同結婚騒ぎのことも知らない。霊感商法のことも知らない。だから、彼ら彼女らにとっては、僕が講義で話す事柄は初めて聞く話が多いのだという。前期の授業はいろいろと試行錯誤を重ねてきたが、総じて学生たちの反応は徐々に良くなってきたように思う。力を尽くせば必ず通じる。
そのまま18時30分からメディア学会関連のオンライン打ち合わせ。その後、お世話になった学生のTAさんたちと「骨汁」を出しているお店で腹ごしらえ。このTAさんたちには本当に助けられた。
神保町界隈の不快事、きのうの段階で精査を重ねた9月号用の原稿2本が出そろったが、その後の神保町界隈の対応で、事実上今日をもって、彼のもとにある限りその総合誌と決別することとなった。この時点での最悪の展開だが、ジャーナリズムのありようを問うてきた「メディア批評」の営為を14年以上続けてきた精神をここで潰えさせてはならない。
7月20日(水) 宿泊しているホテルのプールに朝一番で出かけてみたら、先客が一人いるだけで空いているではないか。ここで泳がない手はない。すぐに部屋に戻って海水パンツに着替えてひと泳ぎ。気持ちがいい。お天気も晴れている。
その後、お世話になった元RBC(琉球放送)カメラマン大盛伸二さんの3回忌を前に、ご実家にお線香を手向けにうかがった。大盛さんの奥様とお兄さんと共に故人を偲んだ。大盛さんの生前の最後の写真展でも使われた「象の檻のフェンス内をさまよう野犬」の写真がラベルになった泡盛ボトルを3回忌弔問者用にわざわざつくっておられた。こころのなかで涙がながれる。
その後、県庁方面の取材が立て続けに入る。沖縄県議会→沖縄県庁→沖縄在住のジャーナリスト→県立博物館F氏とめまぐるしい動きとなった。F氏がかつてTBSの堀川とんこうさんと一緒に働いていた経験があることを知る。
18時からメディア学会部会の打ち合わせ、オンラインで。21時那覇発の便で羽田に戻る。
7月21日(木) 体とこころのリズムを回復するために朝早くプールへ行き泳ぐ。局に行き、さまざまな話をリアルで。オンラインでの会合はもう真っ平だな。ウクライナ取材で詰めの打ち合わせ。一緒にウクライナ入りするカメラマンTとVEのMと初顔合わせ。若い。海外出張はチームワークの結晶のたまものなので、お互いを知る機会になる。
それにしても旧統一教会の被害実態を示す内部資料はすさまじい内容だった。献金をむしりとるために
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