有田芳生さんが言う「空白の30年」の重み
[7月18日~7月25日]山口広弁護士、赤木雅子さん、有田芳生さん……
金平茂紀 TBS報道局記者、キャスター、ディレクター
7月18日(月) きのうのNHK・BSで放送された遠藤正雄・新田義貴両氏取材によるウクライナ現地での作品『キーウ 市民たちの抵抗〜映画監督が見つめた戦時下の首都〜』(初回放送日: 2022年7月17日)をみて励まされる。遠藤・新田両氏の現地取材で、いわば「身元引受人」となったウクライナ人映画監督の切実な思いが伝わってきた。キーウ市内の八百屋さんのおばちゃんが町の人々に野菜を売っている姿が強く印象に残る。困っている人からはお金をとらないという。

NHK・BS『キーウ 市民たちの抵抗〜映画監督が見つめた戦時下の首都〜』より=筆者提供

キーウで取材中の遠藤正雄氏(右)、新田義貴氏=新田氏提供
そのシーンの画面を見て気づいたのだが、お店の表の壁に「WiFi ZONE」のステッカーが貼られている。ウクライナ・キーウのオンライン環境は、戦争中であるにもかかわらず(あるいは、であるからこそ)急速なテンポで整えられており、それが情報戦でウクライナ優位の基盤となっているという話を別のソースから聞いた。
午前中、煩瑣な証明手続きだけのために川崎市の行政サービスコーナーへと出向く。日本という国では、お役所仕事とはどこにおいてもお役所仕事でしかない。システム自体が、そこに暮らしている住民本位にできていないのだ。午後、早稲田大学のゼミの授業。
知人との情報共有で、7月11日の『クローズアップ現代』は、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)問題でNHKにしては頑張っていたとの評価を聞いたが、その後、急速に尻すぼみになっているようだ。NHKで何が起きているのか。さらに旧統一教会日本支部の田中富広会長の記者会見場の出席可否をめぐって、フリーランスや週刊誌を排除したことで現場が揉めたが、その後のいわゆる大手メディアの記者たちの対応がよくなかったとの話を聞かされる。やっぱり現場に行かないとダメだな。
そのまま、神保町の不快事をめぐる最終的な対応でオンライン協議。とにもかくにも、この理不尽な推移の責任は、編集長側にある。記事というものは、編集者と執筆者の信頼関係に基づいて成り立つ。その関係が一方的に破棄されようとしている。