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【1】動き出した中学部活動の地域移行

2025年末めざし急スピードで展開 日本のスポーツを根本から変える可能性も

増島みどり スポーツライター

 公立中学校の休日の運動部活動を、地域のスポーツクラブや民間事業者に段階的に移行していく「部活動の地域移行」が動き出している。長く中学校に支えられてきた部活動を大転換する方針だ。

サッカー拡大公立中学の部活動が地域に移行される

来年からの3年で休日の部活を移行

 改革を行うスポーツ庁はまず、休日の部活動の移行を第1ハードルに、2023年から3年間を「改革集中期間」と明確に設定。この問題がいかに喫緊の課題であるかを象徴する。平日の活動は次の段階とし、加えて吹奏楽部や合唱部など文化系の部活動についても文化庁の有識者会議が議論を進めてきた。

室伏視察拡大部活動改革の先進校を視察する室伏スポーツ庁長官=茨城県内 2021年11月

 スポーツ庁の有識者会議が移行にあたっての提言を6月にまとめ、7月末には、同庁の室伏広治長官(47)が、地域移行に関する協力要請文を日本スポーツ協会(JSPO)の伊藤雅俊会長、連携を進めていく日本中学校体育連盟(中体連)、保険制度を運用するスポーツ安全協会にも提出。長官は「子どもたちの多彩なスポーツの機会を確保するため、地域移行を前に進めていく」と、3団体との強い連携を掲げ、JSPOには総合型地域スポーツクラブやスポーツ少年団といった受け皿となる団体の整備、体制の充実や、指導者の質・量を確保する制度設計を依頼した。

 中体連に対しては、都道府県の体育連盟が主催する大会でも民間のスポーツクラブなどが出場できるように支援を求め、過大な負担に追われて来た教員のために、試合への引率規定の見直しといった具体的な改定にも踏み込んだ。スポーツ安全協会には、地域のスポーツクラブや民間事業者での活動においても、学校現場と同程度の負担金で補償を充実させる運用を求めている。

 9月には、スポーツ協会に加盟する60の連盟、47都道府県が室伏長官を交えて初会議を行い、地域移行にスポーツ界一丸となっての取り組みを強調していく方針だ。

少子化と過重労働が急展開の背景に

 中学の部活動をまずは休日に限定して移行する方針がこれほどスピーディーに進行する背景には、現代社会が抱える問題点が存在する。ひとつは少子化の深刻な影響だ。

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筆者

増島みどり

増島みどり(ますじま・みどり) スポーツライター

1961年生まれ。学習院大卒。84年、日刊スポーツ新聞に入社、アマチュアスポーツ、プロ野球・巨人、サッカーなどを担当し、97年からフリー。88年のソウルを皮切りに夏季、冬季の五輪やサッカーW杯、各競技の世界選手権を現地で取材。98年W杯フランス大会に出場した代表選手のインタビューをまとめた『6月の軌跡』(ミズノスポーツライター賞)、中田英寿のドキュメント『In his Times』、近著の『ゆだねて束ねる――ザッケローニの仕事』など著書多数。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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