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【カタールW杯現地報告】グループリーグ突破で見えた「新しい景色」

優勝経験国を2度打ち破り、初の2大会連続で16強入りを果たした日本代表の底力とは

増島みどり スポーツライター

 サッカーW杯カタール大会のグループリーグを日本代表が突破しました。ドイツ、スペインという優勝経験国をいずれも逆転勝ちで撃破し、2大会連続の決勝トーナメント進出です。ここまでの戦いで日本代表が見せた「まだ見ぬ新しい景色」(森保一監督)はなにか。現地・カタールで取材を続けている筆者が報告します。

円陣拡大スペイン戦の勝利で決勝トーナメント進出が決まり、円陣をつくって喜び合う日本代表の選手とスタッフ=2022年12月1日、ハリファ国際競技場

森保監督が示した「劣勢の予想図」通りに

 グループリーグ(GL)突破をかけた第3戦で、日本はスペインと対戦し、前半はボールを圧倒的に保持するスペインサッカーに手こずっていた。正確には、手こずっている「ように」見せていたのかもしれない。11分には、先制点を許す。

森保監督拡大スペイン戦で選手に指示を送る森保一監督=2022年12月1日、ハリファ国際競技場、伊藤進之介撮影

 森保一監督(54)はボールの保持率を強い根とするスペインの分析をスタッフ、選手と行ったうえで、あえて得意のパステクニックを存分に発揮させる方を選んだ。ひとつの賭けだった。

 「ボールを(スペインに)回されているようで、(実はこちらが)回させている状況にある」(DF・谷口彰吾)、「我慢強く、忍耐強く戦えば、たとえ先制されても後半に必ず勝機が来る」(DF・板倉滉)と、試合前から選手に対して明確に、この試合の「劣勢の予想図」を指示していたのだという。

 そのため、ハーフタイムのロッカーは、勝たなければいけない試合で先制を許した状況にも少しも沈んでいなかったと選手は口々に明かす。むしろ、ドイツ戦の前半を0-1でしのいで忍耐し、後半大逆転につなげた成功体験に沸いていた。「絶対に勝てると信じて入った」と、ドイツ戦と同じく同点ゴールを奪った堂安律は言う。

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筆者

増島みどり

増島みどり(ますじま・みどり) スポーツライター

1961年生まれ。学習院大卒。84年、日刊スポーツ新聞に入社、アマチュアスポーツ、プロ野球・巨人、サッカーなどを担当し、97年からフリー。88年のソウルを皮切りに夏季、冬季の五輪やサッカーW杯、各競技の世界選手権を現地で取材。98年W杯フランス大会に出場した代表選手のインタビューをまとめた『6月の軌跡』(ミズノスポーツライター賞)、中田英寿のドキュメント『In his Times』、近著の『ゆだねて束ねる――ザッケローニの仕事』など著書多数。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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