メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

車いすテニス・国枝慎吾が拓いた道

生涯グランドスラムのレジェンド そのレガシーに続くパラアスリートたち

増島みどり スポーツライター

 車いすテニスで生涯ゴールデンスラム(4大大会優勝とパラリンピック金メダル)を獲得した国枝慎吾(38)が、グローバルアンバサダーとして所属する「ユニクロ」本部(東京都・有明)で7日、引退会見に臨んだ。会見が始まる直前、国枝と柳井正ユニクロ会長兼社長は廊下で登壇を待っていた。

引退会見前にユニクロ・柳井氏と談笑

 約200人もの記者や海外メディアも含むカメラマン、テレビカメラが待つ会場と、会長が登壇するためか周囲の関係者にも、緊張感が漂っていた。そんななか、柳井氏と国枝は楽しそうに雑談をする。2人の軽快な笑い声が廊下に響いた。

引退記者会見に臨む車いすテニスの第一人者、国枝慎吾さん(右)。左はあいさつするファーストリテイリングの柳井正・会長兼社長=2023年2月7日午後2時5分、東京都江東区、岩下毅撮影引退記者会見に臨む国枝慎吾(右)。左はあいさつするユニクロの柳井正・会長兼社長=2023年2月7日、東京都江東区

 2009年、国枝は日本人で初めて車いすテニスのプロに転向し、未知だった若者と競技と、ユニクロはタッグを組んだ。

 世間が車いすテニスを認知する以前から、世界中で難しい挑戦をやり遂げた両者の関係性がうかがえるような場面だった。

・・・ログインして読む
(残り:約2720文字/本文:約3100文字)