なのに繰り返される指導者の暴力 土壌の改善は望めないのか
2023年03月15日
千葉県でも屈指のスポーツ強豪校、船橋市立船橋高校の男子バレーボール部監督の石井利広容疑者(60)が2月27日、県警船橋署に暴行容疑で逮捕され、学校が緊急会見を開いた。同容疑者は市船の教諭でもあり、昨年11月の部活動中、男子学生がプレー中にミスをしたとして、校内の体育館で上半身裸になるよう指示。さらに髪をわしつかみにして引っ張り回し、至近距離から顔面をめがけて複数回ボールを投げつけた暴行の疑いが持たれている。
当時、同じ体育館には40人以上の部員と、ほかに顧問2人もいた。部の関係者から警察に直接、暴行があったと相談が寄せられたために、水面下で捜査が行われていたという。ミスをして上半身を裸にした理由は明らかになっていない。
同校の津田亘彦校長は、「いわゆるレシーブ練習で、あっちこっちにボールを散らす練習をしたときに、それは厳しいんじゃないのか、という声が(周囲から)聞かれた。本人(石井教諭)が、こういう練習も厳しいといわれたら、バレーで鍛えることは難しくなっている時代なんですね、と、私に話したことはあった」と、同教諭が自らの経験値による指導方法と、新しい指導法のはざまで、困惑する心境を吐露していた様子を会見で明らかにした。
同校は、1990年の春高バレーで優勝、インターハイで上位の成績を残すなど強豪校として知られ、県大会での優勝は49回にものぼる。石井教諭は、県のバレーボール強豪校で知られる習志野市立習志野高から法政大に進学。大学ではセッターとして活躍し、1985年に同校の実習助手として市に採用され、88年には社会科教諭として本採用となった。85年にはバレーの競技歴を評価され顧問に就任しており、97年からは監督を務めてきた。
85年の助手採用以降、人事異動はなかったという。
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