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WBC日本代表が実証した「心・技・体」プラス「調」の重要さ

サッカーW杯では「指輪」に脚光 コンディショニングが勝負の分かれ道に

増島みどり スポーツライター

 野球の日本代表「侍ジャパン」が日本時間22日、米・マイアミの「ローンデポ・パーク」で行われたWBC(ワールドベースボールクラシック)決勝で、アメリカを3-2で下し、14年ぶりの優勝を果たした。

 5回目を迎えた同大会で、日本は2009の第2回大会以来、3大会ぶりの世界一奪還となり、13年のドミニカ共和国以来、大会史上2度目となるグループリーグから7戦全勝での「完全優勝」は国内だけではなく、MLB(メジャーリーグベースボール)のプライドをかけて連覇を狙った野球の国・アメリカでも称賛されている。

優勝を決め大谷翔平(中央)のもとに駆け寄る日本代表の選手たち=西岡臣撮影 2023年3月21日 米フロリダ州マイアミ拡大優勝を決め大谷翔平(中央)のもとに駆け寄る日本代表の選手たち=2023年3月21日、米フロリダ州マイアミ

メジャー流の睡眠と昼寝の効用

 日本ラウンドで4試合を戦い、ノックアウトステージに入って時差が13時間と昼夜が逆転する米・フロリダ州マイアミに移動。準決勝と決勝は連戦するなど厳しい環境への順応とコンディショニングがかつてないほど重要な位置を占めた大会でもある。

 優勝投手となった大谷翔平(エンゼルス)は、コンディションの中でも睡眠を重要視する。数年前から日本の大手寝具メーカー「西川」と契約。西川によれば、毎年、体重や筋肉の付き方が向上する自分の体にフィットしたマットレスを、細かな測定で作成しているそうだ。また、睡眠の質をスマートフォンとの連動でモニターできる装置(バンド)も着用し、より深い眠りを環境の差にかかわらずコントロールするという。

 MLBの現場で長年、選手の体調管理と向き合ってきたトレーナーは、メジャー流の調整のひとつとして「ナップタイム」と呼ぶ昼寝が「とても有効」と解説する。横になって目をつむっている時間が、疲労回復を助けるとして、多くの選手が2時間程度、昼寝をする。

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筆者

増島みどり

増島みどり(ますじま・みどり) スポーツライター

1961年生まれ。学習院大卒。84年、日刊スポーツ新聞に入社、アマチュアスポーツ、プロ野球・巨人、サッカーなどを担当し、97年からフリー。88年のソウルを皮切りに夏季、冬季の五輪やサッカーW杯、各競技の世界選手権を現地で取材。98年W杯フランス大会に出場した代表選手のインタビューをまとめた『6月の軌跡』(ミズノスポーツライター賞)、中田英寿のドキュメント『In his Times』、近著の『ゆだねて束ねる――ザッケローニの仕事』など著書多数。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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