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 菅直人新首相の登場で、「Yes we Kan」とおもしろい見出しを付けたのは、英経済紙フィナンシャル・タイムズだった。正直、笑えた。

 菅政権の経済政策をケインズ学派をもじって「Kan-sian economics」とした欧米紙もあった。その2、3日後に日本記者クラブが早速、「カンジアン」と銘打った研究会を開始した。1回目の講師は、菅政権の経済政策ブレーンと言われる神野直彦東大名誉教授だ。

 やはり、当面は菅首相本人も経済・財政の立て直しに全力を投入するだろうし、世界も日本国民もその行方を注目している。

 もはや誰も憲法など問題にしないだろうと思っていたら、参院本会議での各党代表質問で、舛添要一新党改革代表が質問した。

 「憲法審査会が与党の反対で始動していない。首相に指導力を発揮してほしい」

 これに対して首相は「(憲法改正が)当面の内閣の喫緊の課題とは考えていない。経済と国民生活を立て直すことが第一だ」と答えた。この答弁、本人の持論はともかく、「改正しない」と言わなかった点が興味深い。

 また、靖国神社への参拝については、A級戦犯の合祀を理由に「首相や閣僚の公式参拝には問題がある。在任中に参拝するつもりはない」と述べ、ただ「個人的には何度も参拝したことがある」と付け加えた。

 なかなかしたたかな答弁だ。「左翼政権だ」とする安倍晋三元首相らの攻撃を避ける狙いもあるだろう。中曽根康弘元首相が「菅君は保守だ」と色分けしてくれたのは助かったはずだ。特に選挙前には、できるだけ広範な国民の支持を得る必要がある。

 菅首相の政治センスは鋭い。 ・・・ログインして読む
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筆者

春名幹男

春名幹男(はるな・みきお) 早稲田大学客員教授(米政治安保、インテリジェンス)

1946年京都市生まれ。大阪外国語大学卒。共同通信社ニューヨーク支局、ワシントン支局、ワシントン支局長。名古屋大学大学院国際言語文化研究科教授をへて、現在、早稲田大学客員教授。ボーン・上田記念国際記者賞・日本記者クラブ賞受賞。著書に『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『秘密のファイル―CIAの対日工作』(共同通信社)など。

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