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参院選、若者の声は政治に届くのか

鈴木崇弘

鈴木崇弘 城西国際大学客員教授(政治学)

若者の声は政治や政策に反映されていない!

 城繁幸さんが、「民主主義で、みなが平等であると考えてはいけない。声の大きな人の意見は反映されるが、声を上げない人の意見や考えは、政治に反映されることはない」という趣旨の意見を、6月26日、若手の政策集団ネットワークである「ブランニュージャパン(BNJ、http://bnj.jp/)」が主催した「若手政策ダイアローグ」というイベントで述べた。城さんは人材コンサルタント会社を経営し、WEBRONZAの筆者の一人でもある。

  政府が実施する政策は、高齢者に有利で、若者には不利だとよくいわれる。それは、この城さんの意見から考えても、当然だ。2007年の前回参議院選挙の20代前半の投票率は33%であり、60代前半は78%だった。しかも、少子高齢化により、若者の人口は絶対数も割合も、それ以上の年齢層に比べて急速に少なくなってきている。この傾向は今後ますます加速する。

 森川友義早稲田大学教授(注1)は次のように主張する。「20歳代の有権者は合計で1500万人いるのに、有効投票数は500万票あまりで、人数的にはずっと少ない(1200万人程度の)75歳以上のお年寄りの投票数は700万票をはるかに下回っているのです。国会議員側の立場からみると、20歳代の棄権者1000万人は日本に存在していないのと同じです。」 これでは、政治は誰にいうことを聞き、誰にとって有利な政策をつくるかは明白だ。

 その結果、政治は高齢者の意見を聞き、若者の意見を聞かないことになる。その具体例として、現在70歳の人たちと24歳から34歳ぐらいの若者との世代間の受益格差を比べると、実に約4000万円の差が生まれるということになるわけだ(注2)。

 高齢者はこれまで日本社会を育て、支えてきたわけであるから、当然配慮される必要がある。しかし他方、若者にがんばっていただき、活躍していただかないことには社会がサステイナブル(持続可能)にはなりえない。若者が活躍できなければ、社会に活力が失われ、高齢者自身も困る状態が生まれることになる。自分の子どもや孫、その次の世代がやる気を失い、日本から元気が失われることを望む高齢者がいるとも思わない。

 しかし、日本は少なくとも政治制度としては民主主義の社会。自分が社会や政治に何らかの形で関わり、変えていかない限り、結局は最終的に誰も自分に適したように社会を変えてくれることはないのだ。

若者の側からの試み

 では、このような現状の中で、若者が声をあげ、自分たちの考えを政治や政策に反映していくにはどうしたらいいか。若者も決して、何もしていないわけではない。

 ここでいくつかの実践されている活動を、例示的に紹介しておこう。 ・・・ログインして読む
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筆者

鈴木崇弘

鈴木崇弘(すずき・たかひろ) 城西国際大学客員教授(政治学)

城西国際大学大学院国際アドミニストレーション研究科客員教授。1954年生まれ。東京大学法学部卒。マラヤ大学、イースト・ウエスト・センターやハワイ大学大学院等に留学。東京財団の設立に関わり、同財団研究事業部長、大阪大学特任教授、自民党の政策研究機関「シンクタンク2005・日本」の設立に関わり、同機関理事・事務局長などを経て現職。中央大学大学院公共政策研究科客員教授。著書に『日本に「民主主義」を起業する――自伝的シンクタンク論』『シチズン・リテラシー』『僕らの社会のつくり方――10代から見る憲法』など。

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