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遂に55年体制の最終ステージ――これから起きること

鈴木崇弘

鈴木崇弘 城西国際大学客員教授(政治学)

 参議院選挙の結果は、微妙なバランスの数字だ。民主党は予想以上に敗北し、与党で過半数を制することができなかった。野党自民党は参議院の改選第一党にはなったが、全体では依然第一党ではないし、過半数をとるための当選者を得られなかった。参議院は正に少数政党乱立状態で、「ねじれ状態」必至だ。

 この状況の中では、政界における2つの大きな変化が起こると思われる。

55年体制の終わり(1) 

 まず一つは、自民党が今後どうなるかだ。今回、自民党は、参議院に「ねじれ」をつくったが、盤石な政治勢力を築いたわけではない。

また世界の政治や政党の歴史をみても、政権を失った政党が、存続して政権を奪い返すには、一般に10年ぐらいかかっているという。そして、若い人材を代表に就け、党のイメージを変え、新しい党になったことを示すことで、やっと政権を奪い返しているという。ところが、自民党は、政権もなく、若手を代表等に登用することもなく、昨年の総選挙での敗北以来現在まで党の大きな改革への力と方向性が生まれてきているとはいえない。

 この状況では、たとえ今回ある程度党勢を回復できたとはいえ、党の力強い求心力が生まれてきているとはいえない。自民党は政党として、今後も果たして残り続けられるのか、それとも融解していくのか。存続するとしても、現在の形のままでありうるのか。党勢拡大し再び政権獲得に向かえるのか。あるいは特定の政治的価値観を実現することだけを目的とする小政党になってしまうのか。党の生き残りに向けて、今後の厳しい選択が問われるところであろう。これが、自民党の置かれた現状だと思う。

 実は、戦後長く続いた自民党を与党とする政治体制である日本の55年体制の政治の限界や制約への対応は、1980年代ぐらいからおこなわれはじめた。より大きな変革がなされたのは、その90年代で、政治改革、中央省庁改革などの行政改革が行われた。その後紆余曲折を経て、昨年の政権交代が起きた。その政権交代が本来は55年体制の終わりのはずであったが、政権を獲った民主党自体、自民党政治をある意味引きずっており、55年体制を大きく変えるには至っていない。

その過程の中で、現状の自民党がある。このことは、正に55年体制の変貌とその終わりの最後のステージが始まりつつあることを示しているのではないか。

55年体制の終わり(2) 

 もう一点は、さらに重要な民主党の問題だ。

民主党の菅総理は、政権就任後、「小沢一郎」前幹事長をつぶし、民主党をつくり替え、次の政治をつくることに焦点を完全にしぼったのではないか。

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筆者

鈴木崇弘

鈴木崇弘(すずき・たかひろ) 城西国際大学客員教授(政治学)

城西国際大学大学院国際アドミニストレーション研究科客員教授。1954年生まれ。東京大学法学部卒。マラヤ大学、イースト・ウエスト・センターやハワイ大学大学院等に留学。東京財団の設立に関わり、同財団研究事業部長、大阪大学特任教授、自民党の政策研究機関「シンクタンク2005・日本」の設立に関わり、同機関理事・事務局長などを経て現職。中央大学大学院公共政策研究科客員教授。著書に『日本に「民主主義」を起業する――自伝的シンクタンク論』『シチズン・リテラシー』『僕らの社会のつくり方――10代から見る憲法』など。

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