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オバマ大統領の広島訪問につなげたい

高成田享

高成田享 仙台大学体育学部教授(スポーツメディア論)

 歴代の米国駐日大使は、広島や長崎の原爆記念施設を訪れているという。しかし、今回のルース大使の場合は、原爆記念日の式典に大使として初めて参列するわけで、その意味は大きいうえ、11月に横浜で開かれるAPEC首脳会議にあわせて来日するオバマ大統領が広島を訪問する可能性を高めるものと思う。

 多くの日本国民から見れば、米国の原爆投下は、軍事施設の破壊よりも民間人の大量殺戮を狙った人道に反する行為であるし、多くの米国民から見れば、戦争の早期に終わらせ米兵や日本国民の犠牲を低く抑えた必要悪ということになる。だから、ルース大使やオバマ大統領から「謝罪」の言葉を得ることは難しいし、そのことに固執すべきだとは思わない。しかし、核のボタンを握る大統領に、原爆の被災地を見てもらうのは、戦争で再び核兵器を使用させないという点で大きな意味があると思う。大使にはこの機会に大統領の広島訪問に向けて動いてもらいたいと思う。

 オバマ大統領は昨年のプラハでの演説で、米国は核兵器を使ったことのある唯一の核保有国として、核兵器の廃絶に向けて行動する「道義的な責任」があると述べた経緯がある。この演説がノーベル平和賞を受賞する根拠のひとつになったはずで、大統領自身も広島訪問を義務と考えていると思う。

 ハリウッド映画を見ていると、核兵器が使用される場面がよく出てくる。 ・・・ログインして読む
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筆者

高成田享

高成田享(たかなりた・とおる) 仙台大学体育学部教授(スポーツメディア論)

1948年、岡山市生まれ。71年に朝日新聞社に入り、経済部記者、アメリカ総局長、論説委員などを経て、2008年から石巻支局長。この間、テレビ朝日系「ニュースステーション」キャスターも経験。2011年2月に退職し、仙台大学教授。東日本大震災後、復興構想会議の委員を務める。主な著書に『ディズニーランドの経済学』(共著、朝日文庫)、『こちら石巻 さかな記者奮闘記――アメリカ総局長の定年チェンジ』(時事通信出版局)、『さかな記者が見た大震災 石巻讃歌』(講談社)など。

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