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 手元に民主党が参院選の際に作った「参院選マニフェストQ&A」という内部資料がある。有権者やメディアの問い合わせなどに対応するためのいわば「虎の巻」だ。この中に民主党自身がマニフェストをめぐって抱える自己矛盾、悩みがくっきりと浮かび上がる。

 1番目の想定問答はこう記述されている。

「09マニフェストと参院選マニフェストの違いは何か」

8月2日の衆院予算員会で自民党の谷垣禎一総裁が取り上げたのをはじめ、4日間の日程で開かれた衆参両院での与野党論戦の中核でもあった。菅直人首相の答弁は「言語明瞭、意味不明」。参院選大敗の後遺症を引きずっていたのだろう。どこかの元首相のような答弁を繰り返した。

 この点について「虎の巻」は明確だった。「09マニフェストは政権交代を主張する野党のマニフェスト」。これに対して参院選マニフェストに関しては「政権を担当する与党のマニフェスト」と位置付けた。「09マニフェストに必要な修正を加えた」とも記述している。さらにこんな表現も見える。

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筆者

後藤謙次

後藤謙次(ごとう・けんじ) 後藤謙次(フリーの政治コラムニスト、共同通信客員論説委員)

フリーの政治コラムニスト、共同通信客員論説委員。1973年4月、早稲田大学法学部卒業、共同通信社入社。函館支局、札幌支社などを経て、82年から本社政治部。政治部長、編集局長を歴任。07年10月、共同通信社を退社後、TBS系の「NEWS23」キャスター、「総力報道! THE NEWS」アンカーなどを務める。著書に『小沢一郎 50の謎を解く』(文春新書)、『竹下政権576日』など。現在、週刊「ダイヤモンド」に連載中。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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