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名古屋市で始まる「36万署名」 河村市長主導から脱皮できるか

菅沼栄一郎

菅沼栄一郎 朝日新聞記者(地域報道部)

 連日の猛暑が衰えを見せない名古屋市で、27日から「36万5000人の署名」を目指した運動が始まる。期間は1カ月。目的は?――市議会のリコールだ。

 とはいっても、市議会が不祥事を起こして市民が出直しを求めているわけではない。河村たかし市長が自分の提案にことごとく反対する議会に業を煮やし、「どっちが正しいか市民に決めてもらおう」と、市民に署名集めを呼びかけたのだ。地方議会のリコールは、市町村合併などで住民が直接請求した例は少なからずあるが、首長が仕掛けた例は珍しい。

 争点は3つ。(1)10%減税を来年以降も続けるか(2)ボランティアの委員が地域の予算を決定する地域委員会を続けるか(3)市議の報酬を現在の半分の800万円に引き下げるか。市議会側は、これに対し(1)恒久減税をとりあえず「1年限り」と修正(2)地域委員会を市内各地に拡大する目標を削除(3)報酬引き下げ条例を否決した。

 河村市長のやり方には「十分に議論を尽くさないまま、最終手段としての議会のリコールを強引に進めようとしている」との批判がある。一方で、これまでにその一部を実現した河村氏の提案は「議会のあり方」や「自治体独自の減税」について重要な問題提起を含んでいる。住民が判定する場面が設定されれば、なお十分に議論されていない論点をあぶり出す可能性がある。

 署名は36万に届くかどうか。住民投票に詳しいジャーナリストの今井一さんは ・・・ログインして読む
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筆者

菅沼栄一郎

菅沼栄一郎(すがぬま・えいいちろう) 朝日新聞記者(地域報道部)

朝日新聞記者 1955年11月27日生まれ。80年、新聞記者に。福島支局、北海道報道部、東北取材センターなど地域を歩く。この間、政治部で自民党などを担当。著書に『村が消えた――平成大合併とは何だったのか』(祥伝社新書)、『地域主権の近未来図』(朝日新書、増田寛也・前岩手県知事と共著)。

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