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 オーストラリアの政治が大変なことになっている。8月21日に行われた総選挙の結果、与党労働党、野党保守連合(自由党・国民党)の二大陣営がそれぞれ下院(定数150)の過半数が取れずに「中ぶらりん議会」(ハング・パーラメント)になることが確実となってしまった。キャスティングボードを握る4人の無所属議員を狙った多数派工作が続いているが、その出口は見えていない。どちらの党が過半数を取っても今後の議会運営は不安定にならざるをえず、早期の議会解散、再選挙を予想する声が早くも出ている。

 こうした豪州の混迷ぶりは内政問題であるがゆえに、ほとんど日本に伝わっていない。しかし、日本として高みの見物というわけにはいかない。

 小選挙区制度に基づく豪州の二大政党制の起源は英国にあり、1990年代、衆議院の選挙制度改革に取り組んだ日本がまさに手本にしたものである。5月に行われた英国の総選挙では労働党、保守党の二大政党いずれも下院の過半数を取れず、1974年以来の「中ぶらりん議会」となった。英国に続く豪州での「中ぶらりん」状態は、小選挙区制度、そして二大政党制そのものの限界を示唆している。

 そもそも、最近の豪州政治の動きは、日本の政治風景とどこか重なりあう。 ・・・ログインして読む
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筆者

脇阪紀行

脇阪紀行(わきさか・のりゆき) 大阪大学未来共生プログラム特任教授(メディア論、EU、未来共生学)

1954年生まれ。79年に朝日新聞社に入社、松山支局などを経て大阪本社経済部に。90年からバンコクのアジア総局に駐在。米国ワシントンでの研修を経て97年からアジア担当論説委員。2001年からブリュッセル支局長。06年から論説委員(東南アジア、欧州など担当)。2013年8月末に退社、9月から、大阪大学未来共生イノベーター博士課程プログラム特任教授。著書に『大欧州の時代――ブリュッセルからの報告」(岩波新書)、『欧州のエネルギーシフト』(岩波新書)。

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