鈴木崇弘
2010年09月07日
菅直人さま
拝啓 暑い日が続いていますね。いかがお過ごしでしょうか。
遂に菅さんと小沢さんによる民主党代表選の一騎打ちが決まり、現在その選挙戦の真っただ中ですね。どちらが勝つのか、小沢前幹事長が有利であるといわれていましたが、菅さんが次第に優勢という情報も流れはじめていますが、まだまだ予断を許さない状況でしょう。
民主党内の議員や党員・サポーターは、現時点での支持傾向からすると、菅さんと小沢さんの状況は、小沢前幹事長有利から伯仲そして菅さん優勢になりだしているという状況だといわれています。ただ、菅さんはもともと党内基盤が弱いのでまだまだ予断を許さない。でも、たとえば朝日新聞の「どちらが首相にふさわしいか」という世論調査では、菅さんは65%程度、小沢さんは15%程度で、菅さんが断然強いですね。
今回の民主党代表選は久しぶりに白熱していますね。民主党の代表を選ぶということは、次の日本の総理大臣を選ぶことになるからでしょうね。しかも、菅さんと小沢さんという二人のツートップが出馬していますからね。今後14日の代表選当日に向けて、すべてのメディアがジャックされ、民主党内ばかりでなく、日本国民の間における関心も、さらにヒートアップしてくるでしょう。
このような状況で、思い出すことが2つあります。
まず一つ目は、2001年の時の自民党総裁選の時の小泉純一郎さんのやり方です。菅さんの政権は、新成長戦略でこれからの日本の経済は、公共バラマキでもなく、市場原理主義(小泉政権がとったといわれる経済の方向性)でもない「第三の道」をとることを明確に打ち出しています。その意味では、小泉さんのやり方は受け入れ難いのかもしれませんが、まずは私の話を聞いてみてください。
その自民党の総裁選は、密談で自民党総裁になった森喜朗総理が世論でのあまりに低い支持率によって辞任し、それを受けて実施されました。当初、党内最大派閥の橋本派の長の橋本龍太郎さんが優勢でした。しかし、森総理誕生のされ方や森総理の問題のある言動等を含めた自民党の従来のやり方、経済問題などへの対策への不満と危惧が当時国民全般に蔓延していました。それに対して、小泉さんは、ややエキセントリックでしたが、自民党らしからぬまた短く的を射た「自民党をぶっこわす」というフレーズで、現状に不満な国民や地方党員の心をつかみ、強い支持を得ました(当時の世論調査でも同様の傾向がでていました)。それが、自民党議員の支持にも変化を与えました。結果、小泉が圧勝しました。
もうひとつは、ジョン・F・ケネディーが大統領に選ばれた1960年の米国の大統領選です。
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