菅沼栄一郎
2010年09月15日
続投を決めた菅直人首相(63)の歴史的な使命は、トロイカ体制に幕を引くことだ。
民主党の新代表としての再スタートの瞬間に、「辞める形」を注文して恐縮だが、できることなら、今回の代表選に敗れた小沢一郎前幹事長(68)と鳩山由紀夫前首相(63)を道連れに、そろって政界を引退できないか。「トロイカ一掃」が実現すれば、それは「55年体制」に名実ともにピリオドを打つことにもなる。
鳩山前首相の最大の功績は、小沢前幹事長を引きずり込んだ「道連れ辞任」だった。その功績は、代表選前の「首相に導いてくれた小沢氏への大義」発言により、帳消しになったが。あの「うっちゃり技」の記憶を菅首相は内ポケットにしのばせて、今から民主党第2世代へのバトンタッチを準備すべきだろう。
第二次菅政権がこれからどれだけの仕事ができるかは、ねじれ国会をどう乗り切っていくかにかかっている。しかし、野党が究極は解散総選挙を目指している限り、菅内閣が実現できる政策は野党が合意できる最低限の景気対策などに限定される。そもそも「ねじれ」は、参院選に惨敗した菅首相の「負の遺産」であり、首相自身が解消する責めがある。ただし、大規模な連立か政界再編成がない限り、次の参院選を待たなくてはならない。それだけのパワーが菅政権に残っているだろうか。
菅首相はこの代表選で、世代交代の橋渡し役としての自らの役割をアピールした。自らの力で「ねじれ」を乗り越えるか、解消ができないと悟ったとき、時代の歯車を回すことに残余のエネルギーを傾けるべきだろう。
一方で、ポスト・トロイカ世代は、自力で自らの舞台を用意しなければならない。その際、「ポスト55年体制の使命は何か」を明確にしなければならない。今回の代表選の反省点は
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