鈴木崇弘
2010年11月26日
朝日新聞の10月31日の読書欄に、「日経エンターテインメント!」日経BPムックの「K-POP★GIRLS」の書評が掲載されていた。そのタイトルは、「国家戦略としてのアイドル」である。
同雑誌と同書評は、韓国のK-POPの男女グループの活動や日本での活躍やさらなる活躍の可能性について記している。それによれば、韓国出身で日本で活躍するアイドルは、素人っぽさが売りの日本のアイドルとは異なり、韓国ですでに成功した「確立ブランド」を日本に輸出しているという。その典型が、少女時代という女性グループだ。そして、ここで重要なのは、韓国発のアイドルは、日本モデルではなく、独自のモデルによって日本で成功をおさめようとしていることだ。
しかもさらに重要なことは、K-POPに詳しいライターの西森路代氏によれば、「韓国のアイドルは、台湾を含む中華圏や東南アジアでCDをリリースして、その度にプロモーションに訪れるというのが当たり前です。J-POPは、そこまでの視野を持って活動していません。韓国にとって音楽産業はアジア市場を見据えた成長産業の一環なんです」という。つまり、韓国発のアイドルのターゲットは本国や日本市場だけではないのだ。
そのような韓国発アイドルがなぜ日本市場にくるかといえば、それにはいくつかの理由がある。
その点については、実は私は、朝日新聞で「人材活用 BoAに学ぶ日本の可能性」(2004年4月3日号の「私の視点」)などのいくつかの小論ですでに書いている。
韓国は、人口が少なく、購買力も相対的に低いため、音楽市場が日本よりかなり小さい。このため、
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