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中国のトップツイッター・ジャーナリストが語る「ネットジャーナリズム時代の日中関係」

安替(Michael Anti=ジャーナリスト、コラムニスト)/聞き手:ふるまいよしこ(フリーランスライター)

 

 ――西洋メディアから得た海外の情報をそのまま翻訳して流したり、中国では政府に規制されて流れないニュースを伝えたりと、あなたはツイッターでそれを実践していますね。福建省のアモイで不法逮捕された人のツイートをきっかけに、国内外ツイーターたちが拘置所にいるその人宛てに大量のハガキを送った結果、釈放された、といった出来事もありました。呼びかけるとそうやって時空を超えてツイーター同士があっという間に団結する。そういえば、ダライ・ラマがツイッターを使って中国国内のツイーターと会話するという企画もありました。

 

 そう、そんなこと、ツイッターがなければ実現しなかった! ここ2年間、ツイーターがだんだん拡大してきて、すでに20万人を超えているはずです。ぼくのフォロワーも3万人に近づいている。そこで交わされている会話や議論を見ていると、ますます西洋と同じようなまともな社会になってきたな、と感じています。もちろん、そこでも言い争いや、妙ちきりんなことも起こりますが、それこそがまともなんですよね。これまでのように簡単に洗脳されるような状況も減ってきている。

 中国ではツイッターはアクセスをブロックされていますから、わざわざそのブロックを知恵や手段を使って乗り越えて集まる人たちは、国産の一般マイクロブログでは削除されてできないような話題を求めているんですね。そこは中国で唯一、自由に発言できる公共空間なんです。だからこそ、鋭敏なジャーナリストたちは今、ツイッターに集っている。彼らはツイッターで流れる地方からの、あるいは現場にいる一般人や関係者の情報を元に、すぐさま取材に走る。

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 そういえば、日本の鳩山(由起夫)元首相がツイッターアカウントを開設したとき、中国からも多くの人たちがフォローしました。でも、彼は一度も英語でつぶやかなかった。でも、ぼくらはオバマ米大統領がなにをしているのか、どんなスピーチをいつ、どこでやるのかを、ツイッターで知ることができる。そしてそれを英語が分かる人間が中国語にして流す習慣ができている。

 ほかにも「ニューヨーク・タイムズ」や「ウォールストリート・ジャーナル」の社説や記事をボランティアで中国語に翻訳して、ウェブ上で提供している人たちがいる。韓国の新聞も自分たちで記事を中国語にしてウェブで公開しているし、ツイッターでも流す。でも、日本のメディアの情報は一切入ってこない。だから日本人が何を考え、何をどんなふうに語っているのか分からない。

 インターネット、特にツイッターは簡単に国境の壁を飛び越えられます。これを使ってお互いの情報のギャップを埋めることができれば、自分の知らなかったことに気づくことができる。

 中国人は知能が低いのではなく、洗脳を受けているだけで、本質は日本人やアメリカ人、イギリス人と同じなんですよ。でも、社会条件が違う。じゃどうすればいいのか? そこでぼくらみたいな人間が説得する必要があるわけ。

 ぼくはそんな人々と同レベルで生活している。バックグラウンドだって彼らと同じ。ぼくには彼らが感じていることがわかるんです。だからこそ、ぼくには彼らを非難する資格なんてない。ぼくが感じているのは、彼らを説得すること、それがぼくの責任だということ。

 

 ――そんなあなたは将来中国で民主化が実現したとき、大統領に立候補したり、あるいは政治家になったりするつもりはありますか?

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