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「小沢政治」に幕が下りる年

後藤謙次

後藤謙次 後藤謙次(フリーの政治コラムニスト、共同通信客員論説委員)

 「政治家の判断として、通常国会で政倫審に自ら出席することを決意した」――。民主党の小沢一郎元代表は28日午後、突然記者会見して従来の出席拒否から一転、出席に柔軟な姿勢を見せた。ところが閣僚の1人は「追い詰められたからだろう」と冷ややかな反応を示した。さらに、徐々に小沢氏の出席が条件付きであることが分かるに従って、政府高官からは「往生際が悪い」などと小沢氏の対応に厳しい声が噴出した。結局、小沢氏の”決断”の効果は限定的で、小沢問題はモヤモヤしたまま越年することになった。

 しかし、仮に政倫審問題をクリアしても小沢氏は袋小路から逃れることはできないだろう。それは政治の大きな流れが「小沢切り」で動いているからだ。今の日本政治は衆参ねじれのため「何も決められない国会」という状況にある。衆院解散・総選挙を実施しても、今の政党勢力の枠組みが続く限り、堂々巡りが繰り返される。それを解決できるのは政界再編、枠組みの変更しかない。その前提が「小沢抜き」だ。

 このため、小沢氏をめぐって今後も手を替え品を替えて「排除の論理」が浮上するに違いない。中でも年明け早々にも想定される政治資金規正法違反の罪での強制起訴だ。「離党勧告」「党員資格停止」「役職停止」「証人喚問」――など様々なオプションが取りざたされる。

 これに対して小沢氏にはこれといった対抗手段はない。一時は

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