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共通番号制度、欧州の経験を国民に示してはどうか

脇阪紀行

脇阪紀行 大阪大学未来共生プログラム特任教授(メディア論、EU、未来共生学)

 欧州諸国では納税や年金支払いなどに共通番号制度が順次導入され、広く利用されている。

 今年、オランダの雇用制度を取材旅行中に相手に共通番号制度の導入の是非について聞いた時、今さらなぜそのことが話題になるのかと怪訝な顔をされ、すでに制度が定着しているのを痛感させられた。

 ただ、欧州各国間での社会保障や税制の改革の方向が多かれ少なかれ共通の方向に動いているのに対して、共通番号制度の方は国ごとに導入の経緯や発展の形が異なる。日本での導入にあたって政府は、欧州の経験と比較しながら国民に説明する手もあるのではないだろうか。

 例えばスウェーデン。この国は、税や保険料の徴収から医療の受診、銀行口座の開設まで、欧州で最も個人番号が浸透しているといわれる。だが、その淵源はキリスト教会が教区ごとに管理していた信者名簿だということを同国に滞在中に聞いた。国民の政府に対する信頼が高い背景には、こうした伝統的制度の活用や1千万足らずという人口数に加えて、個人の納税額情報に他人がアクセスできるという徹底した公開制度も寄与しているようだ。

 日本と同様に、

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筆者

脇阪紀行

脇阪紀行(わきさか・のりゆき) 大阪大学未来共生プログラム特任教授(メディア論、EU、未来共生学)

1954年生まれ。79年に朝日新聞社に入社、松山支局などを経て大阪本社経済部に。90年からバンコクのアジア総局に駐在。米国ワシントンでの研修を経て97年からアジア担当論説委員。2001年からブリュッセル支局長。06年から論説委員(東南アジア、欧州など担当)。2013年8月末に退社、9月から、大阪大学未来共生イノベーター博士課程プログラム特任教授。著書に『大欧州の時代――ブリュッセルからの報告」(岩波新書)、『欧州のエネルギーシフト』(岩波新書)。

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