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日本企業が日本人を捨てる?

鈴木崇弘

鈴木崇弘 城西国際大学客員教授(政治学)

 教育に関する研究会を開いている。この会のメンバーの手で、国際社会で活躍できる人材を育成する学校をつくる計画がある。今後、その学校のコンセプト、運営、カリキュラム(案)などについて研究していく予定だ。

 研究会の参加者は、現場の教育者、学者・研究者、シンクタンク関係者、予備校関係者、人材育成事業に関わる方々、議員、市教育長、学校経営者、教育ビジネス関係者、大学院経営関係者などなど。多士済々だ。

 だが、本稿で述べたいのは、そのことではない。

 先日のその研究会の会合が久しぶりにあったが、その参加者のうち、特に日本企業のビジネスマン育成に関する活動などをしている人、あるいはその分野に詳しい何人かから、次のような発言があった。

・「最近、日本企業、特に商社の人と話すと、社員としてもう日本人は要らないといっている。むしろ、海外の外国人人材をどうやって採用するかということを考えている」「日本企業は、外国人を採るという方向にきている」

・「これまでは日本国内で外国人留学生を採用する程度だった。が、今は違う。日本語ができなくても、英語ができればいいというようになってきている」

・「昨年の今頃(2010年1月ごろ)は、そんな雰囲気はまだなかった」「だが、その後のこの1年で状況は大きく変わり、日本企業は外国人採用にシフトしてきている」

 まさに、「日本企業が日本人を捨てる」ということだ。驚愕の日本企業の現実である。

 だが、よくよく考えてみれば、昨年、ユニクロ(ファーストリテイリング)や楽天が、英語を社内公用語にすると発表されたことも記憶に新しい。

 グローバル経済はさらに浸透、進展し、そこにおける企業間の競争は日増しに激化してきている。また、日本の経済は停滞し、日本の国内市場は収縮してきている。そのような状況では、日本企業(特に、海外で勝ち抜いていかなければならない大企業)もますます国内市場にだけ依存し、生き残るのは難しい。企業が、海外市場で戦い、勝ち抜き、生き残るには、海外展開で役立つ人材をとることを最優先に考えだとしても当然だ。

 これまで、日本人は、「日本語」という言語による日本人のアドバンテージ、つまり日本企業就職への「非関税障壁」のようなもの(日本語だけでなく、文化や慣習、思考パターンなども関係しているが、その象徴としての「日本語」と考えていただきたい!)があるため、日本人は日本企業に就職でき、外国人の就職は非常に難しかったのが現実だ。

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筆者

鈴木崇弘

鈴木崇弘(すずき・たかひろ) 城西国際大学客員教授(政治学)

城西国際大学大学院国際アドミニストレーション研究科客員教授。1954年生まれ。東京大学法学部卒。マラヤ大学、イースト・ウエスト・センターやハワイ大学大学院等に留学。東京財団の設立に関わり、同財団研究事業部長、大阪大学特任教授、自民党の政策研究機関「シンクタンク2005・日本」の設立に関わり、同機関理事・事務局長などを経て現職。中央大学大学院公共政策研究科客員教授。著書に『日本に「民主主義」を起業する――自伝的シンクタンク論』『シチズン・リテラシー』『僕らの社会のつくり方――10代から見る憲法』など。

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