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「ニュースにだまされるな!」ナショナリズムをとことん考える

朝日ニュースター「ニュースにだまされるな!」×WEBRONZA提携

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 朝日ニュースターの人気番組「ニュースにだまされるな!」(朝日ニュースター公式サイト)が、WEBRONZA(ウェブロンザ)スペシャルに登場。一挙に文字で、かつウェブで読めます。放送時間を3時間に延長した今回のテーマは、「ナショナリズム」(1月1日(土)初回放送)。尖閣諸島や北方領土などの領土問題、中国の反日デモなど、日本や周辺諸国、欧米諸国のナショナリズムが活発化しています。中村さん、金子さんが迎えるスタジオに集まった5人のゲストは、今後の日本と世界をどのように論じたのでしょうか。

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◆「ニュースにだまされるな!」ナショナリズム(初回放送:2011年1月1日(土)19:00~21:55)。司会:中村うさぎ(作家)、金子勝(慶応義塾大学教授)。ゲスト:大澤真幸氏(社会学者)、萱野稔人氏(津田塾大学准教授)、木村三浩氏(一水会代表)、アーサー・ビナード氏(詩人)、藤本由香里氏(明治大学准教授、あいうえお順)。

◆次回の番組は、2月5日(土)22時からの放送で、テーマは「菅政権 危機を乗り越えられるか」です。ゲストは、荻上チキ氏(評論家)、糠塚康江氏(関東学院大学教授)、松田光世氏(菅首相元政策秘書、民主党・橋本べん衆院議員政策秘書)、山口二郎氏(北海道大学教授、あいうえお順)。司会はもちろん、中村うさぎさん(作家)と金子勝さん(慶応大学教授)です。再放送:6日(日)3時00分~、同16時00分~、9日(月)21時00分~、10日(水)14時~、11日(木)1時00分~。詳しくは番組ホームページへ。「ニュースにだまされるな!」番組公式サイト。

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【司会】

 ■中村うさぎ(なかむら・うさぎ) 作家、エッセイスト。1958年生まれ。コピーライターやゲームライターを経て、91年にライトノベル作家としてデビュー。自らの浪費や美容整形を綴ったエッセーなどで著名に。著書に『狂人失格』『女という病』『私という病』『セックス放浪記』など。

 ■金子勝(かねこ・まさる) 慶応義塾大学経済学部教授。1952年生まれ。東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得修了。専門は財政学、制度経済学、地方財政論。著書に『新・反グローバリズム』、共著に『新興衰退国ニッポン』『日本再生の国家戦略を急げ』など。

【ゲスト】

 ■大澤真幸(おおさわ・まさち) 社会学者、元京都大学教授。1958年生まれ。専攻は数理社会学、理論社会学。社会学博士(東京大学)。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得満期退学。東京大学文学部助手、千葉大学助教授などを歴任。2010年から個人誌「THINKING “O”」を発行。著書に『行為の代数学』『身体の比較社会学(1)(2)』『意味と他社性』『戦後の思想空間』『ナショナリズムの由来』『不可能性の時代』『〈自由〉の条件』『現代宗教意識論』『「正義」を考える』、共著に『見たくない思想的現実を見る』『自由を考える――9・11以降の現代思想』など。

 ■萱野稔人(かやの・としひと) 津田塾大学学芸学部准教授。1970年生まれ。専門は哲学、社会思想。2003年、パリ第十大学大学院哲学科博士課程修了。哲学博士。東京大学大学院総合文化研究科21世紀COE「共生のための国際哲学交流センター」研究員を経て現職。著書に『国家とはなにか』『カネと暴力の系譜学』『権力の読みかた』『暴力はいけないことだと誰もが言うけれど』、共著に『国家とアイデンティティを問う』『超マクロ展望 世界経済の真実』など。

 ■木村三浩(きむら・みつひろ) 一水会代表。1956年生まれ。「月刊レコンキスタ」発行人。高校生のころから右翼活動に参加。1978年には尖閣諸島に上陸。81年、新右翼「統一戦線義勇軍」の結成に参加。92年、同じく新右翼の「一水会」書記長となり、2000年に同代表就任。03年、米国のイラク攻撃に反対。著書に『鬼畜米英―がんばれサダム・フセインふざけんなアメリカ!!』『男気とは何か』『憂国論 新パトリオティズムの展開』、共著に『日本の右翼と左翼』など。

 ■アーサー・ビナード(Arthuer Binard) 詩人、翻訳家、エッセイスト。1967年、米ミシガン州生まれ。ニューヨーク州コルゲート大学英米文学部卒業。卒業論文執筆時に日本語に興味を持ち、90年に来日。詩集に『左右の安全』『釣り上げては』、著書に『亜米利加ニモ負ケズ』『空からきた魚』『日々の非常口』『日本語ぽこりぽこり』『出世ミミズ』、絵本に『ここが家だ ベンシャーンの第五福竜丸』など。ラジオパーソナリティも務める。

 ■藤本由香里(ふじもと・ゆかり) 明治大学国際日本学部准教授。1959年生まれ。東京大学教養学科卒業。筑摩書房の編集者を経て現職。編集者、評論家としてフェミニズムや漫画評論、コミュニケーション論などの書籍を刊行。著書に『私の居場所はどこにあるの?』『愛情評論』『快楽電流』『少女まんが魂』など。

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♪オープニングミュージック:忌野清志郎「GOD」

うさぎ 明けましておめでとうございます。金子さん、いよいよ2011年になりました。

金子 そうですね。今年はどんな年になるでしょうか。今年は節目の年です。2011年はソ連が崩壊して20年。9・11から10年。この20年で、まず米国のユニラテラリズム(一国決定主義)が暴走し、その後に崩壊が始まって、これまでの世界の基本構造が溶解してきています。

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うさぎ 今後もどんどんメルトダウンしていくのでしょうか。

金子 何か、悪い方向に向かっている気はします。EU(欧州連合)が解体してしまうとか、米国の金融危機が再燃するとか。

うさぎ またですか。

金子 今、米国の銀行経営や金融システムの環境がどんどん悪化しています。米国が再びデフレに突入してしまい、中国のバブルを抑えようとして新興国のバブルもはじけてしまうなど、いろいろなシナリオが考えられます。何も起きない可能性もありますが、潜在的に大きな危険が眠っているというのに日本の政治はぼろぼろの状態です。

 今年のキーワードは「歴史と記憶」だと思っています。長いスパンで何かが終わり始めていて、何かが始まっている。そうした転換期だということをしっかり考えないと、どこに行くか分からない混沌とした世の中になってしまう。今年は、長期的な視野を持たないといけない年になるだろうと私は思っています。

うさぎ そこで、今回は「ナショナリズム」というテーマでお送りします。

金子 まさに今年は、漂流するナショナリズムをきちんと見据えなければならない。ですので「ナショナリズム」の論客をお招きしました。

うさぎ 時間も1時間延長して、新春の3時間生放送です。

金子 日本も世界も不安定な世の中です。尖閣や欧州の問題で明らかなように、世界中で極右勢力が台頭しています。

うさぎ 米国のティーパーティー(茶会)運動もそうですね。

金子 朝鮮半島もきな臭い。悪い意味でのナショナリズムに影響されて政治が営まれてしまうと本質的な問題の解決にはならないので、きちんと問題を見据えて我々が漂流しないための3時間にしましょう。

うさぎ 「ナショナリズム」をしっかり見据えた徹底討論です。

金子 この番組を見た人は迷子にならない。見ない人は迷子になってしまうかもしれない。

うさぎ ぜひ民主党の方々にも見ていただきたいですね(笑い)。「ニュースにだまされるな!」新春3時間ライブ、いよいよスタートです。

(CM)

(冒頭テロップ)

2011年 ナショナリズムは世界中で炎上?/日中韓、米中、EU圏でも国益衝突?/小泉、安倍はナショナリストだった?/三島由紀夫と石原慎太郎は同類?/ロスジェネはナショナリズムに傾く?/ネットはナショナリズムを増幅する?

うさぎ 今回は「ナショナリズム」がテーマです。

金子 「元日早々、重たい話になりそう」と思う人もいるかもしれませんが、そんなことはないでしょう。でも、尖閣や朝鮮半島、米国でオバマを敗北させたティーパーティーといった現象が起きています。米国では、安倍元首相や麻生元首相もびっくりのペイリン元アラスカ州知事のような人の人気が高い。日本も米国も、失業が多くて景気も回復せず、歯車が狂い始めている感じです。

うさぎ 今回のテーマを一緒に考えていただくゲストの方々をご紹介します。社会学者の大澤真幸さんです。大澤さんは『ナショナリズムの由来』『帝国的ナショナリズム』などの著書を出されています。

大澤 よろしくお願いします。

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金子 僕も、『見たくなる思想的現実を見る』という本を一緒に出しています。大澤さんは、簡単なことを無理に難しく考えるのが魅力で、ものすごく分厚い著書をお持ちです。座布団を上に掛けたら、枕にぴったり(笑い)。

うさぎ 出版不況の中で、あんな分厚い本を出すのは珍しいですね。

大澤 「辞書」などと言われています。

うさぎ 「広辞苑」とか。

金子 「ひとり広辞苑」ですね。

うさぎ 大澤さんには、後ほど「ナショナリズム」についての深いお考えを解説していただきたいと思います。そして、一水会代表の木村三浩さんです。

木村 よろしくお願いします。

うさぎ 木村さんは、一水会という右翼の組織の代表をされています。

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木村 そうです。正しくは民族派の団体です。

うさぎ 民族派団体というのは、右翼とは違うんですか。

木村 ほぼ同じですが違うところもありまして、民間の団体です。

金子 木村さんとは少し前にある新聞記者の葬儀でお会いして、今回お呼びしたいと考えました。いわゆる「右」も「左」も、情緒的でカリカチュア(戯画)化したイメージだけが流通していて、保守や民族主義、ナショナリズムについて、深く問いを追求していない人が多い。

木村 例えば、2003年に米国がイラクを攻撃したときに、私たちはイラクの立場を擁護して米国を批判しました。これは右翼かというと、そうとは言いにくい面があります。

うさぎ 右翼というと、私はどうしても街宣車のイメージが強いです。

金子 日本の右翼は、米国べったりで米国についていけばいいという人もいて、それとナショナリズムの関係をどう考えればいいのか分かりにくい。もしかしたら、一水会が本当の純粋な右翼なのかもしれない。

中村 その辺は後でゆっくりお話させてください。そして、津田塾大学准教授の萱野稔人さんです。

萱野 よろしくお願いします。

うさぎ 萱野さんは、金子さんと対談されるそうですね。

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金子 そうです。1月11日(火)夜に朝日カルチャーセンター新宿で。耳障りのいい言葉を並べる若い方が多い中で、萱野さんはいい意味で嫌われそうな発言をするので、好感を持っています。

うさぎ 金子さんも嫌われ者ですからね(笑い)。

金子 そうそう。少しは、えぐいことを言わないと面白くないですからね。

萱野 そうですね。「ナショナリズム」というまた嫌われそうなテーマに呼んでいただいたので、そうした傾向が増幅されそうです。

金子 今日の話題は、萱野さんにぴったりだと思います。

うさぎ この後、お二人でゆっくりと嫌われ者ぶりを発揮していただきたいと思います。続いて詩人のアーサー・ビナードさんです。

ビナード よろしくお願いします。

うさぎ ビナードさんは日本での暮らしは長いのでしょうか。

ビナード もう足かけ21年です。もう少しで人生の半分になります。そうなると僕は何人なのか……。

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金子 番組が始まる前に、「出演者で日本語が一番できるのは誰だろう」と考えたのですが、ひょっとしてビナードさんかもしれない(笑い)。

うさぎ 先ほど、ビナードさんに「元旦」という言葉の意味を教えていただきました。

金子 ビナードさんは実は、政治や社会の問題に対して鋭い面白い発言をされています。朝のラジオにも出演されていて(文化放送系「吉田照美 ソコダイジナトコ」毎週木曜)、僕は早起きなのでよく聴いています。

うさぎ ビナードさんは、ご自身では「アイデンティティーは日本人」という感覚をお持ちですか。

ビナード 母国語の英語を捨てたわけではありませんが、日本語で仕事をして書くことが多いので、日本語の思考回路に染まってはいますね。「どちらか一つだけ」という排他的なアイデンティティーではなくて、両方が根付いています。でも英語のメルトダウン(溶解)が始まっていて、根っこの部分が今後どうなるか心配です。

金子 ビナードさんは、米国も日本も突き放して見ることができる人だと思います。私たちは日本育ちで日本ありきですから、中に入り込んでしまって見えなくなる部分がある。恋愛している男女と同じで、「二人はなぜ恋愛しているのか」という疑問はなかなか抱きにくい。ビナードさんの立場は、とても有利だと思ったりもします。

うさぎ そんな立場ならではのご意見を後ほど伺いたいと思います。そして、明治大学准教授の藤本由香里さんです。

藤本 よろしくお願いします。

うさぎ 藤本さんは、出版社の編集者時代から少女漫画の評論・研究などをされていて、現在は大学で日本文化論を教えていらっしゃいます。

藤本 漫画文化論を担当しています。所属は国際日本学部という新しい学部で、日本のことをよく知ってそれを海外に発信できる人材を育てる、というのがコンセプトです。日本のポップカルチャーも日本文化ですから、学部としてもかなり力を入れています。

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うさぎ 今や、アニメや漫画は日本の代表的な文化ですからね。

藤本 そうですね。

金子 代表的な文化であると同時に、代表的な産業ですね。「ポケモン」なしに、おもちゃメーカーは成り立たないし、「スーパーマリオ」なしに任天堂は成り立たない。重要なソフトウエアなのに、そういう感覚の人は国内でもまだまだ少ない。公立の漫画博物館を建てようとすると怒りだす人がいます。(日本のポップカルチャーが人気の)フランスに行ってみればいいと思うほどです。

藤本 フランスでは漫画は人気がありますね。国立の漫画博物館もあります。そのほか世界各国で漫画やアニメをきっかけに日本語を学ぶ人が増えていて、日本の漫画やアニメを日本語で読みたい、見たいというのが日本語を学ぶ動機のかなり大きな部分を占めています。

ビナード 米国にとってのハリウッド映画に匹敵するのが、日本のサブカルチャーですね。それなのに、それを規制しようとしている人たちもいます。

藤本 そうです。昨年は1年間、都条例改正問題で振り回されました。

金子 ちょっとした暴力やエロの表現が問題だ、などともっともらしい理由を挙げていましたが、大事な文化は守らなければいけない。

うさぎ この問題についても後ほどお話を伺います。今回は5人のゲストと一緒に「ナショナリズム」について語り合います。

金子 ちょっと意外なメンバーだと思う方もいるかもしれません。雑誌の企画でもなかなかない。僕は、今回のゲストが集まった時点で満足しているところが正直あります。

うさぎ どんな議論が展開するのか楽しみです。

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