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 政治は一寸先は闇の世界だから、あまり予想はしたくないが、菅直人首相は、予算関連法案を否決させて、政府の機能マヒにした状態にしたところで、解散するのではないか。となると「6月解散」だ。

 予算が通過したあと、関連法案が成立しないと、子ども手当が児童手当に戻り、子どもの多い家庭では収入減になる。最大野党の自民党は子ども手当に反対だから、子どもを持つ家庭の怒りは自民党に向かう。中小企業への優遇税制も打ち切りになるので法人税の減税どころか逆に増税になるが、これも怒りは党利党略に走る野党に向かう。というのが首相の読みだろう。

 そこで思い出されるのが1995年秋に、民主党のクリントン大統領と共和党のギングリッチ下院議長が激しく対立したときのことだ。予算が成立せずに、政府が機能停止に陥ったときに、世論は予算を通さなかったギングリッチ氏を批判する方向に流れ、結局、下院議長は失脚した。

 そこまで劇的に変化しなくても、政府機能の停止で世論が半分に割れれば、総選挙になっても、勝つ目はあると踏んでいると思う。3月危機で退陣しても、予算が通るめどはないし、破れかぶれに解散すれば大負けする公算が大きい。

 しかし、野党は、国民生活を人質に取ったチキンゲームに走るだろうか。国民生活に支障が出るようになれば、野党の足並みも乱れるだろうし、わざわざ自分が不利になる状況に追い込むだろうか。勝っている碁で、コウ争いの局地戦に入り込み、最後はどんでん返しに遭うようなものだ。

 予算案が衆院を通過したあとは、むしろ野党にとって試練の時期となるのではないか。

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筆者

高成田享

高成田享(たかなりた・とおる) 仙台大学体育学部教授(スポーツメディア論)

1948年、岡山市生まれ。71年に朝日新聞社に入り、経済部記者、アメリカ総局長、論説委員などを経て、2008年から石巻支局長。この間、テレビ朝日系「ニュースステーション」キャスターも経験。2011年2月に退職し、仙台大学教授。東日本大震災後、復興構想会議の委員を務める。主な著書に『ディズニーランドの経済学』(共著、朝日文庫)、『こちら石巻 さかな記者奮闘記――アメリカ総局長の定年チェンジ』(時事通信出版局)、『さかな記者が見た大震災 石巻讃歌』(講談社)など。

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