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チェルノブイルとの共通性?

 大変なことになった。今後事態がどう展開して行くかは、まったくわからない。チェルノブイリとの比較もよくなされる。地震当日は大阪で研究会に出ていた小生も、数時間後、原発についてのとんでもないニュースに接して、「第二のチェルノブイリだ」と同僚に口走った記憶がある。

 技術的には違う次元の問題なこともたしかで、先の直感があたらないことを願うのみだが、原発の技術論から違いを指摘することにかまけて、実はチェルノブイリとの比較がきわめて適切な分野があることは、あまり指摘されていない。それはデモクラシーの欠如という問題である。ちょっと唐突に聞こえるかもしれないが、読んでいただきたい。 

 チェルノブイリ事故に立ち向かわねばならなかったのは、事故の一年ちょっと前に最高権力に就いたゴルバチョフソ連共産党書記長だった。改革を念頭に置きながらも、うまく進まない時期だった。彼は結局のところ、それまでの政権のやり方を踏襲して、最初は隠蔽をはかり、対応の遅れを招いた。改革を掲げて登場した民主党の菅政権も似たような事情にある。小出しの情報開示、全体の見通しのなさは、あきれるほどにそれ以前の政権のスタイルだ。

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筆者

三島憲一

三島憲一(みしま・けんいち) 大阪大学名誉教授(ドイツ哲学、現代ドイツ政治)

大阪大学名誉教授。博士。1942年生まれ。専攻はドイツ哲学、現代ドイツ政治の思想史的検討。著書に『ニーチェ以後 思想史の呪縛を超えて』『現代ドイツ 統一後の知的軌跡』『戦後ドイツ その知的歴史』、訳書にユルゲン・ハーバーマス『近代未完のプロジェクト』など。1987年、フィリップ・フランツ・フォン・ジーボルト賞受賞、2001年、オイゲン・ウント・イルゼ・ザイボルト賞受賞。

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